メルマガ2018年6月号でお薦めベスト3としてご紹介していた公演です。2013年にソウルで初演され、韓国の東亜演劇賞の作品賞、演出賞、舞台美術・技術賞の三冠を受賞。2014年の日本初演では、私はチラシに推薦文を書かせていただきました。
韓国語で鳥の「かもめ」を意味する単語の読みは「カルメギ」です。『가모메』は韓国語で「かもめ」と発音します。日韓二ヶ国語上演/日本語字幕付きです。4年ぶりの日本再演は神奈川公演の後、三重、兵庫、埼玉ツアーあり。必見ですよ~!
やはり傑作。上演時間は約2時間25分、カテコ込み、休憩なし。チェーホフ作「かもめ」の舞台を日帝時代の朝鮮に置き換え、原作の核はそのままに(あるいはやや誇張して)、支配/被支配の…https://t.co/BHktjrMrJq #東京デスロック #??? カルメギ #舞台 #演劇
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年7月2日
カルメギが東亜演劇賞取った時、それまで日本人、というか外国人が受賞した例は無く、50回という節目の年に外国人、しかも日本人に、そして日韓関係を扱ったこの作品に受賞させることは、審査の上でもかなりの議論があったらしいのだけど、最終的に受賞させたことに、韓国演劇界の気概を感じたものです
— 佐藤誠 (@MAKOSSaaaaaaaaN) 2018年7月2日
≪あらすじ≫ 公式サイトより
1930年代日本占領下の朝鮮の田舎町、芸術を志す朝鮮人青年の元に母が連れてきたのは日本からの芸術家。恋焦がれる女性も彼と共に日本へ発ち、残された人々を包む戦争の影・・・アントン・チェーホフ作『かもめ』を1930年代の日帝朝鮮に翻案、2013年ドゥサンアートセンター製作により韓国初演。第50回東亜演劇賞にて作品賞、演出賞、視聴覚デザイン賞受賞、50年の賞歴で初の外国人演出家による正賞受賞。2014年の日本公演以来4年ぶりの再演となる。
≪ここまで≫
CoRich舞台芸術!の感想を転載↓
やはり傑作。上演時間は約2時間25分、カテコ込み、休憩なし。チェーホフ作「かもめ」の舞台を日帝時代の朝鮮に置き換え、原作の核はそのままに(あるいはやや誇張して)、支配/被支配の関係にある二国間で翻弄される人々を描く。
いきなり大音量のK-POP、J-POP等で異化し、安易な感情移入を許さないのが、笑える上に残酷で私好み。
韓国初演時の俳優がほぼ勢ぞろいで演技は深みも余裕もアップ。アルカージナ&トレープレフの場面が素晴らしい!「かもめ」を知らなくても無問題です。ぜひ!
【カルメギ】過去の上演時の掲載記事をご紹介その①
2013年ソウル初演前のインタビュー記事→
〈2013年10月12日サンケイビズ〉歴史と現在踏まえ、未来を考えてほしい 多田淳之介インタビュー https://t.co/d57B08CmeJ2018年の上演は、6月30日KAAT神奈川芸術劇場より開幕! https://t.co/8Y9HuRUqrl
— TokyoDeathlock (@TokyoDeathlock) 2018年6月8日
■感想ツイート
東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『カルメギ』。素晴らしかった! 全編にわたってある種のチグハグさが散りばめられて、それは劇中の「愛はまさに戦争」という台詞に結実している。チグハグな方向へ行き違う愛と、チグハグな気分から醸成される戦争。それは今の日本の時代の気分でもある。
— Taisuke Shimanuki (@nukisuke) 2018年7月2日
『カルメギ』。傾いた箪笥の使い方もまた冴えていた。岸田劉生の『切通しの坂』! あるいは司馬遼太郎の『坂の上の雲』! 再演だけれど手を入れてる箇所も多く、何より日韓米関係が激動するいまに見返す価値のある仕上がりになってる。オススメです。三重、伊丹などでも上演。
— Taisuke Shimanuki (@nukisuke) 2018年7月2日
「??? カルメギ」、これは“原作の破壊”じゃない。原作の核に対するリスペクトと時代性、つくり手たちのパーソナルな思いがぶつかり合って、どれもが妥協することなく、ぎりぎりのところで融和している。私ならばこの作品が好きだと思うと強く勧めてくれた方たち、ご明察! 教えていただき感謝です。
— katsuki (@katsuki_london) 2018年7月2日
多田淳之介演出、ソン・ギウン『カルメギ』@ KAAT:日韓の歴史の中で『かもめ』がこんなにも共鳴する不思議。細部まで張り巡らされた緊張感の中、様々なレベルで大きな「流れ」に観客も飲みこまれる。最後の場面では「追加」に感じ入る。上演史に残る名作。チェーホフを愛するすべての人に観てほしい。
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) 2018年7月2日
チェーホフを上演する側のひとはもちろん、文学としてチェーホフを読んでるひと、また日韓の歴史を勉強しているひと、皆さんの研究や活動をかならず深めてくれる作品です。KAATでの『カルメギ』ぜひ観てください。なお会場では上演台本も販売していました(¥1000)。
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) 2018年7月2日
KAATの『カルメギ』、8日(日)まで公演のあと、各週末にここも巡回あります。
7月13日~15日 三重県文化会館
7月20日~22日 AI・HALL伊丹市立演劇ホール
7月27日~28日 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ各地のチェーホフファン、ぜひごらんください。
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) 2018年7月2日
東京デスロック + 第12言語演劇スタジオ『??? カルメギ』。再演ゆえの鋭さに加えて初演からの日本の変化とタイミングの問題もあって初演以上にずっしり重い。全然うれしくない。No.1の空虚さよ。『日本文学盛衰史』と連続で観るとよい。 https://t.co/EXH4etQJpN
— YAMAZAKI Kenta (@yamakenta) 2018年7月2日
『??? カルメギ』はチェーホフ『かもめ』の舞台を1936年日本植民地時代の朝鮮に置き換えた翻案。 https://t.co/DyXESABfqQ
— YAMAZAKI Kenta (@yamakenta) 2018年7月2日
ソン・ギウンの翻案も多田淳之介の演出も凄い。
— YAMAZAKI Kenta (@yamakenta) 2018年7月2日
たまにふと、一生の間にチェーホフの『かもめ』とシェイクスピアの『ハムレット』の公演で心底満たされるものに出会えたら、もうそこで死んでもいいかもなぁなんて思うことがある。『かもめ』の方は本日出会ってしまった(!)。東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』
— 米谷郁子 (@ikometani) 2018年7月8日
をっ!キラリ☆ふじみでもう一回観るチャンスあるんだ!!あるんだ!!!友達誘って行こう!!あと、次の多田さん演出のBeautiful Water (仮題)もゼッタイ行かなきゃなキャスト!
— 米谷郁子 (@ikometani) 2018年7月8日
ハッキリ言って、俳優さんのおっかけの目的でもう一度観たい。一人残らず素晴らしいキャストだったけれど、特にトレープレフ=ギヒョク役のイ・ガンウクさんと、アルカージナ=ヌンヒ=ソン・ヨジンさんとマーシャ=エジャ(→愛子)役のチェ・ソヨンさんをもう一度観たい。とっても素敵だった。
— 米谷郁子 (@ikometani) 2018年7月8日
東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』チェーホフの翻案ものはまず失敗するという印象、というか確信があるのだけれど、これは例外中の例外。脚本のソン・ギウン、演出の多田淳之介、2つの才能の出会いが生み出した奇跡だ。
— Dune (@fromdune) 2018年7月8日
『가모메 カルメギ』② 古典の翻案ものは、ともすると自分の物語を語りたいがために原作を無理やり当てはめたり、あるいは味付けを現代的に変えただけで作品の核心に対する再考がなかったりして、チェーホフの場合、チェーホフらしさが損なわれたり、チェーホフを使ってのお遊びに成り下がったりする。
— Dune (@fromdune) 2018年7月9日
ここからネタバレします。
朝鮮人の少年ミョギが徴兵される場面の恐ろしさが増した気がする…。旭日旗の意味を知るべし。
前回の日本初演以降の世界情勢の変化がドラスティック過ぎて、最後の字幕ですっかり現実に引き戻された。現代の私服姿で舞台に出てきた俳優たちと、今、ともに息をしているのだと確認して、劇場を後にした。
「冬のソナタ」のメインテーマが流れても、知らない観客が増えたみたい。時が経ちました…。
【カルメギ】先日、KAATで東京デスロック+第12言語演劇スタジオの「가모메 カルメギ」鑑賞。時代を敢えて無視した新聞や本、iPad、ボレロにK/Jポップ。チェーホフ作「かもめ」の登場人物一人ひとりの内面的な葛藤が、1930年代の朝鮮という舞台設定によってより鮮やかに、痛みを伴い迫りくる。
— katsuki (@katsuki_london) 2018年7月4日
【カルメギ】走馬灯のごとく流れ続ける登場人物たちの日々の断片と反復の旋律、淡々と時代を追う文字が、色褪せぬ「かもめ」の物語を紡いでいく。複雑な思いを己が身に押しこめつつ危うい均衡を保ち、共に暮らす朝鮮と内地(日本)、それぞれの人々の会話に突如、漏れ出でる本音の叫び。
— katsuki (@katsuki_london) 2018年7月4日
【カルメギ】歴史や文化のみならず、言葉が隔てる壁が絶望をもたらすがゆえに、2カ国語上演の意味が際立つ。強烈な独自性を持つ脚本(ソン・ギウン)を見事に具現化した演出(多田淳之介)。複数の共同制作を通し重ねられた対話が、通り一遍の“国際合作”に終わらない骨太な作品を生み出したのだろう。
— katsuki (@katsuki_london) 2018年7月4日
≪神奈川、三重、兵庫、埼玉≫
※日韓二ヶ国語上演/日本語字幕付き
出演:夏目慎也、佐山和泉、佐藤誠、間野律子、ソン・ヨジン、イ・ユンジェ、クォン・テッキ、オ・ミンジョン、マ・ドゥヨン、チェ・ソヨン、チョン・スジ、イ・ガンウク
原作:アントン・チェーホフ『かもめ』 脚本:ソン・ギウン 演出:多田淳之介
ドラマトゥルク:イ・ホンイ 翻訳:石川樹里
照明:岩城 保 舞台美術:パク・サンボン 舞台美術コーディネーター:濱崎賢二 舞台監督:浦本佳亮 棚瀬巧 演出部:水澤桃花 音響:泉田雄太 衣裳:キム・ジヨン 衣裳管理:原田つむぎ 小道具:チャン・キョンスク メイク:ソク・ピルソン 演出助手:岩澤哲野 チェ・ヨンオゥン 通訳:キム・ジョンミン 日本語指導:カン・ユミ フライヤーデザイン:細川浩伸 制作:服部悦子 加藤仲葉(ままごと) 制作補佐:谷 陽歩(合同会社syuz’gen)[神奈川公演] 石川景子(青年団)[埼玉公演]
企画製作:東京デスロック 一般社団法人unlock
共催:第12言語演劇スタジオ
助成:韓国文化芸術委員会
助成:[神奈川公演]平成30年度文化庁国際芸術交流支援事業 公益財団法人日韓文化交流基金
助成:[三重・兵庫・埼玉公演]一般財団法人地域創造 平成30年度文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
日時指定・全席自由・整理番号付
一般 前売 3,500円 当日4,000円
U25(25歳以下)前売 3,000円 当日3,500円
高校生以下前売・当日共 1,000円
※未就学児入場不可
※U25、高校生以下の方は、当日受付にて年齢・学籍を確認できる証明書をご提示ください。
http://deathlock.specters.net/index.php?e=81&PHPSESSID=d26e4e2626f9a101eacb37b7d6cf410b
http://stage.corich.jp/stage/91485
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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