今月のメルマガでご紹介した公演です。原作未読で初演も観ておらず、前情報もほとんど頭に入れずに拝見しました。上演時間は約3時間、途中休憩15分を含む。面白かった~~~!!昨日の情報ですが大阪公演はまだ残席あるようです!ライブで体験してくださいませー!
Bunkamura「プルートゥ」再演、約3時間休憩込。面白かったー!原作愛と敬意がビンビン伝わってくる。出演者全員のアンサンブルが見事。映像、道具、衣装とのコンビネーションにゾクゾク!昨年の「欲望という名の電車」と同様、座組み全体で作品のために邁進しているように感じた。こういう舞台が好き! pic.twitter.com/g9WVsYoLQG
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年1月7日
\インタビュー掲載/本日1/5(金)日本経済新聞の夕刊に『プルートゥ』演出・振付、『DUNAS-ドゥナス-』出演のシディ・ラルビ・シェルカウイのインタビューが掲載されました。是非ご覧ください。https://t.co/pQtqyZHBSu #シェルカウイ #プルートゥ #ドゥナス #コンテンポラリーダンス
— Bunkamura公式ツイッター (@Bunkamura_info) 2018年1月5日
森山未來、土屋太鳳ら出演、シディ・ラルビ・シェルカウイ演出・振付の舞台『プルートゥ PLUTO』が開幕。 #森山未來 #土屋太鳳 #大東駿介 #吉見一豊 #吹越満 #柄本明 https://t.co/spAh0W1Dns pic.twitter.com/n9CzAf7c9r
— SPICE[舞台情報メディア]/e+ (@spice_stage) 2018年1月7日
ラルビ×森山未來「プルートゥ」再び、土屋太鳳「宇宙みたい」な初舞台 https://t.co/hf3PD3qPYB pic.twitter.com/9PykhOJEx3
— ステージナタリー (@stage_natalie) 2018年1月5日
【演劇ニュース】森山未來『プルートゥ』再演は「さらに突き刺さる」 土屋太鳳は初舞台挑戦に「舞台は宇宙でした」 https://t.co/jjpCxEhRXu pic.twitter.com/FtzxPQFmQE
— シアターガイド (@theaterguide) 2018年1月5日
土屋太鳳、初舞台に「幽体離脱しそう」 ツインテールでウラン役 #プルートゥ #PLUTO #森山未來 #土屋太鳳 #大東駿介 #吉見一豊 #吹越満 #柄本明 https://t.co/tDzO0eU1PF pic.twitter.com/y8OEktjdgD
— 【公式】エンタメ@マイナビニュース (@mn_enta) 2018年1月5日
『プルートゥPLUTO』いよいよ開演!https://t.co/1QY1VUgr6G を公開。手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」をリメイクした漫画の舞台版。プレスコールの模様をお届け。#プルートゥ #PLUTO pic.twitter.com/f3FNiL3jvX
— コンフェティ(conфetti) (@conpetti) 2018年1月5日
≪あらすじ≫ 公式サイトより
ロボットと人間の物語ではない… これは、全人類に叩きつけられる【愛】と【憎しみ】の黙示録!!
人間とロボットが共存する時代。世界最強といわれるロボットが次々と破壊される事件が起こる。高性能刑事ロボット、ゲジヒトは犯人の標的が、自身を含めた7体の大量破壊兵器となり得るロボット達だと確信。日本に渡り、限りなく人間に近い存在であるロボット、アトムと共に謎を追うことに。内戦で家族を失った世界最高峰の頭脳を持つ科学者アブラー、人間を殺害した唯一のロボット、ブラウ1589との接触により核心に迫っていく。
ゲジヒトは日々、忌まわしい悪夢に苛まれ、妻ヘレナも彼の不調を感じ不安を隠せない。アトムもまた、お茶の水博士に愛情豊かに育てられながらも、自身の生みの親である天馬博士との複雑な関係がその心に影を落としている。葛藤を抱えながらも事件の解決に向けて尽力するアトムとゲジヒトであった。
時を同じくして、アトムの妹で悲しみを察知する能力を持つウランが廃墟の壁に花畑の絵を描く不思議な男と出会う。そこにアトムが駆け付けると、男に異変が起こり…
≪ここまで≫
漫画の舞台化なのでいわゆる“2.5次元舞台”というジャンルに入ると思うのですが(詳しい枠組みは存じ上げません)、もしかすると原作と舞台との理想的なコラボレーションなのではないでしょうか。浦沢直樹さんの漫画は『マスター・キートン』を少々、そして『MONSTER』を読んだだけで(『YAWARA!』はアニメのみ)熱心な読者ではないのですが、浦沢作品の核の部分がストレートに伝わる舞台だったように思います。
ツイートしましたとおり、主役を特に目立たせるとか、演技がおぼつかない人気者を周囲の達者な人材が支えるとか、そういう作品自体とは関係ない配慮のようなものが、なかったです。素晴らしい! こういう舞台を観たいと常々思っています。
演劇ジャーナリストの徳永京子さんのツイート↓によると、初演があったからこその成果だそうです。やっぱり演劇賞に「再演賞」があって欲しいな~と思いますね。
東京公演後のヨーロッパツアーで日本語話者ではない多くの方にもご覧いただきたいです。大阪公演もあります!
『プルートゥ』①戯曲も演出も3年前の初演をベースに細かく手直ししたとのことだが、完全に別物。矛盾する表現になるが、初演があってこその素晴らしい新作。前回に不満だった人こそ足を運んでほしいし、初演を観ていない人は、この完成度で初めて『プルートゥ』に出合える幸福がうらやましい。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』②正直に言って、再演と聞いた時も、欧州ツアーに出ると知った時も、それに値するか疑問に感じたけれど、今は違う。もし海外で芳しい評価が得られなかったら、作品ではなく観客に問題があると擁護したいくらい。いやはや、こんなにも深淵でシンプルなテーマが込められた作品だったとは。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』③これは「もう私達は、AとBの間に明確な線を引くことはできない」という話だ。悲しさと憎しみ、概念と行動、優しさと弱さ、戦争と虐殺、記憶と記録、人間とロボット……。それらをどこかできっぱり分けるには、現代の世界は複雑になり過ぎている。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』④それらの間には無段階のグラデーションが広がっていて、その面倒な“分けられなさ”を引き受け、その先を考えることでしか、私たちはより善くなれない。なぜならその面倒の種を蒔いたのは他ならぬ人間だから──。そのことが、とても丁寧に描き込まれている。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』⑤演出のシェルカウイは、原作のそんな“答えの無さ”に東洋的な哲学を感じ取ったのではないか。というのは想像だが、アトムやウランなどロボットを表現するため、その動作を複数のダンサーが分割して見せるマニピュレーションは、偶然にも、グラデーションの可視化でもある。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』⑥ストーリーについてもう少し書くと、子どもを失った父達の話であり、子は常に親の思い通りではない形で親を超えて行くという話であり、親になり損ねた、子になり損ねた人々の話でもある。初演では何を観ていたのかというくらい多くの発見を与えてくれたのは、今回の俳優の力が大きい。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』⑦まず、大東駿介が良い。ゲジヒトを演じた彼が素晴らしかったからこそ、この作品がゲジヒトだけの話でなくなった(初演はそれが最大の不満だった)。ロボットだから変わらない外側に、再生したあとのアトムの深い悲しみを宿した森山未來。そして土屋太鳳。実は私は彼女の声に、
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
『プルートゥ』⑧日本の若い女の子にありがちな、声で自分を可愛く見せたい願望の強力なのを感じていて、俳優として脱皮するのは発声を変える時だろうと思っていたのだが、開幕早々、ゲジヒトの妻役であっさり低い声を出しているのを聞いて「この舞台はきっと良い」と確信したのだった。
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2018年1月6日
今日も劇場へ? 森岡実穂・劇場通いの記録: シディ・ラルビ・シェルカウイ演出『PLUTO プルートゥ』@コクーン(2018年1月13日) https://t.co/tUIuqTz01N
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) 2018年1月16日
ここからネタバレします。
白い箱を人力で移動させて場面転換し、組み立てたり、横に並べたりした箱たちに映像が映されます。原作の絵がそのまま使わるという贅沢!『デジモンアドベンチャーtri.』もそうだったんです。がっつりと協力し合った上での創作は本当にありがたいですね。
アブラ―が隠れて開発を進めていた“大量破壊兵器”が最後に登場するのですが、それが、大きな布なんです!このページの「過去の公演」の右下の舞台写真です。球体に膨れ上がった白い布に映像が映され、その上にアトムらが乗っかったり、沈み込んだりするんです。球体の内側に人(おそらくダンサー)がいて、アトムの体を布越しに抱き上げ、移動させるんですね。めちゃくちゃカッコイーーーーー!!! こういうアナログな方法で、人間の技が光るイリュージョンが観たい!!
アトム役の森山未來さんの少年のような身軽さ、可愛らしさは緻密なダンスと演技の賜物かと。後半で2人の黒子に抱えられて飛ぶ姿が素敵!!「アトム飛んだー!」と胸躍りました。
土屋太鳳さんは初舞台とは思えない手堅さですね。踊りをもっと観たかった気はしました。今後も舞台に出ていただきたい!
噂通りゲジヒト役の大東駿介さんが良かった~~~。ストイックに役人物としてそこに在ってくださったように思います。鍛えられた体で、集団での身体表現もサラリとこなし、余裕が感じられました。
お茶の水博士役の吉見一豊さんはクマのぬいぐるみ“ルーズベルト”役の声も担当されています。イヤミでイイ! 岩松了作品にもよく出演されている吉見さんは、昨年の『同郷同年』でも迫力の演技を見せてくださってまして、あらためて発語の技術に酔わせていただいた次第。
『NEWS ZERO』 にて
PLUTO プルートゥ 記者会見の様子 👧🏼#土屋太鳳 pic.twitter.com/nCCK3vs0vA— り ん ぺ い (@riii__tao) 2018年1月5日
「ラルビはアイビーのような人」森山未來が語るシディ・ラルビ・シェルカウイ、そして『sutra(スートラ)』の魅力とは? | https://t.co/Ag1CXQgusd pic.twitter.com/Pyw14sYUco
— SPICE[舞台情報メディア]/e+ (@spice_stage) 2016年7月1日
■原作漫画
講談社
売り上げランキング: 174,946
小学館 (2008-07-30)
売り上げランキング: 42,211
小学館 (2009-06-30)
売り上げランキング: 29,005
シアターコクーン・オンレパートリー2018
手塚治虫生誕90周年記念 鉄腕アトム「地上最大のロボット」より
≪東京、イギリス、オランダ、ベルギー、大阪≫
出演:
森山未來<アトム>
土屋太鳳<ウラン/ヘレナ> ヘレナ:ゲジヒトの妻でロボット
大東駿介<ゲジヒト>
吉見一豊<お茶の水博士、クマのぬいぐるみ“ルーズベルト”の声> お茶の水博士:ウランの生みの親、アトムの育ての親
吹越満<アブラ―>
柄本明<天馬博士、人殺しロボットの声> 天馬博士:アトムの親
ダンサー:上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史
原作:浦沢直樹×手塚治虫 長崎尚志プロデュース 監修/手塚眞 協力/手塚プロダクション
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
上演台本:谷賢一
映像・装置:上田大樹
照明:ウィリー・セッサ
音楽:吉井盛悟、オルガ・ヴォイチェホヴスカ
音響:井上正弘
キャラクタービジュアル・コスチュームデザイン・ヘアメイクデザイン:柘植伊佐夫
振付助手:ジェイソン・キッテルバーガー
演出助手:長町多寿子
舞台監督:足立充章
欧州プロダクションマネージャー:川口眞人
宣伝広報:ディップス・プラネット
協力:小学館
企画協力:伊藤事務所
[企画]Bunkamura[製作]Bunkamura/TBS
一般発売2017/10/22(日)
S席11000円 A席8500円 コクーンシート6000円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/18_pluto/
http://entre-news.jp/2017/06/40141.html
http://stage.corich.jp/stage/88762
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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