cloud『リーディングドラマ「THINGS I KNOW TO BE TRUE ーこれだけはわかってる-」』12/19-23 black A

 オーストラリアの劇作家アンドリュー・ボヴェルさん(1962年生まれ)の戯曲をリーディング形式で日本初演。上演時間は約1時間45分。2010年に拝見した『この雨ふりやむとき』が面白かったので伺いました。

≪あらすじ≫ 公式サイトより。
オーストラリア郊外に住む看護婦のフランと人員削減で引退した自動車工のボブ。働き者の妻と庭いじりばかりしている夫。 ヨーロッパへ一人旅に行った末娘ロージーが突然帰ってくる。久々の再会に集まる姉、兄たち。愛情深い家族の風景ー。 季節の移ろいと共に様変わりしていく平穏な家族の風景をコラージュ風に切り取る。ある家族の一年の物語。
≪ここまで≫

 オーストリアの家族を描いた現代戯曲のリーディング。約1時間45分という長さだけど、集中して面白く観られた。演技も演出も練られている。移動手段やインターネットなど、技術の進歩は急激で、家族内の世代間格差は広がるばかり。とても考えさせられた。

 内田亜希子さん、藤尾勘太郎さんは期待通りの演技だった。演じる人物の人生、背景をしっかりキープしたまま、その場で生きている。みずみずしくて、強い存在感がある演技。作品を通して一貫しているのも良い。

 ここからネタバレします。

 真っ白い空間。上下(かみしも)に並んだ椅子を並べ変えて場面転換。俳優は椅子で待機もする。奥の壁に大きく映像を映す。照明もカラフル。

 お母さんが交通事故で即死してしまう結末は、少し残念な気がした。

【出演】
ボブ 63歳、元自動車工(会社に望まれるまま早期退職し、家で庭仕事):大森博史
フラン 57歳、看護師(患者と恋に落ちた経験あり、貯金を投資して大金を稼ぐ):山本道子
ピップ 34歳、教育局勤務(優しい夫との間に2人の娘あり、バンクーバー出張で不倫):内田亜希子
マーク(シドニーで性転換し、ミアと名乗るようになる):藤木修
ベン、28歳、金融機関勤務(会社の金を横領して新車を買う、バレそうになって親に頼る):藤尾勘太郎
ロージー 19歳(クリエイティブ・ライティングを学ぶためブリスベンを目指す):磯部莉菜子
脚本:アンドリュー・ボヴェル
翻訳:広田敦郎
演出:荒井遼
照明 / 渥美友宏
映像 / 栗山聡之
音響 / 丸田裕也
宣伝美術 / 宇野奈津子
企画 ・ 製作 /cloud 
【発売日】2017/10/19
全席自由、1ドリンク付き
12/20(水)14時、19時、12/21(木)14時は2,500円
https://theatertheater.wixsite.com/things2017
http://stage.corich.jp/stage/86881

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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