新国立劇場マンスリープロジェクト・リーディング公演『やとわれ仕事』11/19、21新国立劇場小劇場

 新国立劇場演劇『プライムたちの夜』を上演中の舞台で行われる贅沢なリーディング公演です。音響、照明もあります。

 ≪作品紹介・あらすじ≫ 公式サイトより
11月のリーディング公演は、現代カナダ戯曲の名作、フランク・モハーの「やとわれ仕事」(’93年ロサンゼルス・ドラマリーグ賞受賞)をリーディングにて上演いたします。

庭で落ち葉拾いをしているひとりの老夫人。その様子を見ていた青年、ティムは手伝いを申し出るが、老夫人は耳を貸さない。翌日、再び老夫人のもとを彼が訪れる。やがて、ティムの奥さんジネットも加わり、三人の交流が始まる、、、
 ≪ここまで≫

 カナダ戯曲といえば、吉原豊司さん。いい戯曲です。ぜひ。

やとわれ仕事 (カナダ現代戯曲選)
フランク モハー
彩流社
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 ここからネタバレします。

 工場を解雇されたティムは29歳で高卒資格がありません。ケベックの田舎から出てきたジネットは“カウボーイ”のような彼に恋をして結婚し、今はデパートの苦情受付係で働いています。認知症のおばあちゃんは元大学教授で専門は数学。3人の関係性から人種差別や格差社会も描かれます。

 おばあちゃんとの交流を経て、家事をバカにしていたティムは、木苺のジャムを進んで作るようになりました。
 ジネットは夜間にパソコンを学び(たぶん2年ほど学校に通ってた)、生命保険会社の入力業務という年収300万円ほどの仕事にありつきます。ただし、勤務先はド田舎で引っ越さなければなりません。

 おばあちゃんはハイウェイ(日本だと高速道路?)に入り込んでしまうのがとても危ないのです。ティムが「ジネットについていかない、このままおばあちゃんと一緒に居る」と言い出し、ジネットからおばあちゃんに「田舎に行って一緒に暮らしませんか?」と提案する流れに。おばあちゃんは断ります。ジネットとおばあちゃんのバトルが面白かったです。「あなた、そんな仕事で満足なの?」「おばあちゃんみたいに、学者仲間で湖(の別荘?)に遊びに行くようなことは、私にはできないのよ」等。

 3人で田舎に引っ越して同居を始めた…という結末でした。ハッピーエンドだと思うし、そうなって欲しいと思っていたのですが、驚きました。日本だったらどうなるのかしら。おばあちゃんは「私にぴったりの家を紹介してもらったから(もうすぐ引っ越すかも)」と言っていましたが、それは認知症が進んだゆえかもしれませんよね。

■感想

■ニュース

日時:11月19日(日)17:00/21日(火)19:00
出演
おばあちゃん:津田真澄、ティム:佐川和正、ジネット:熊坂理恵子(新国立劇場演劇研修所第3期生)、ト書き:高倉直人(同研修所第10期生)
作:フランク・モハー
訳:吉原豊司
演出:宮田慶子
(入場無料。要申し込み) 
https://www.nntt.jac.go.jp/play/monthly/

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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