野田秀樹さんと中村勘三郎さん、そして黒木華さんと太田緑ロランスさんがダブルキャストで出演した三人芝居『表に出ろいっ!』の英語版です。あらすじは同じですが、日本人バージョンとは全く違う作品でした。
楽しかった~~!笑った~~~♪ 約1時間20分という短い上演時間もスカっとして気持ちいい! さっそく家族に観劇を勧めました。英語上演ですがイヤホンガイドを劇場入り口で貸してくださいます(無料)。11/23-26にソウル公演あり。
キャサリン・ハンターさんとグリン・プリチャードさんはお二人とも『THE BEE』、『The Diver』で野田さんと創作をされています。キャサリンさんは映画「舞台『夏の夜の夢』」↓のパック役でした。『カフカの猿』も素晴らしかったです。
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11/11(土)に高校生向けの、観劇感想を語り合う会(参加費無料)があります。定員12名(先着順)。一般の方もオブザーバーとして参加可能。これは楽しいと思う!ファシリテーターの藤原顕太さんはとても優秀で優しい方ですよ♪ 高校生はチケット代1,000円!(枚数限定・要証明書)⇒チケット予約はこちら
11月11日(土)開催、芸劇『「表にでろいっ!」英語版"One Green Bottle"』観劇カフェ(ファシリテーター藤原顕太さん)、作品を観て、しゃべってみよう。特設サイトで11日公演のU25、高校生チケットのお申込も受付中⇒https://t.co/Khu0TuL8ax
— 高校生劇評グランプリ (@hs_trgp) 2017年11月1日
≪あらすじ≫ 公式サイトより、役名と(俳優名)を追加。
これは、父ボー(キャサリン・ハンター)、母ブー(野田秀樹)、娘ピクル(グリン・プリチャード)の三人家族の物語。その夜、三人はそれぞれ絶対に外出しなくてはならない理由があった。しかし、飼い犬が出産間近とあって、誰かが家に残り、面倒を見なくてはならない。嘘、裏切り、あの手この手を使って、それぞれが他の二人をあざむき、なんとか家を抜け出そうとする。やがてそれぞれの「信じるもの」が明らかにされ、互いの中傷、非難、不寛容が、事態を思わぬ方向へと導いていく。
果たして彼ら三人に、救いはもたらされるのか?
≪ここまで≫
日本が舞台のお芝居で、英国人と日本人が出演し、英語で話します。また男性役を女性が、女性役を男性が演じます。明らかな“偽物”が日本の伝統芸能の所作を、熱く、真剣にやってることが既に可笑しい! 生演奏が正真正銘の本物(田中傳左衛門)なので、余計に“まがい物”であることが強調されて、また笑えちゃう!
ドタバタ喜劇の体裁を取りながら、冷やっとする恐ろしい展開が待っているのは日本人バージョンと同様ですが、様式美でかっちり見せる場面の神妙かつ滑稽な雰囲気や、視覚的に異文化が混在する奇妙さが、刺激的で面白いです。ある場面(というか動作)では、ドキっとさせられて「ヒぃ!」っていう息が出ちゃったりも。
ブリティッシュ・イングリッシュのキャサリンさんが“日本の伝統芸能の人間国宝”を演じるのも可笑しいです。野田さんは日本語のセリフのサービス(?)も(笑)。グリンさんの冷静さは娘役の病的な行動の裏付けになっていました。サラリと演じているのが私好み。
日本語吹替えキャストは大竹しのぶさん(父役)、阿部サダヲさん(娘役)、野田秀樹さん(母役)。意味が伝わることが最優先だからかもしれませんが、若干棒読み気味で、豪華キャストの印象はあまり残らなかったです。ただ、私には英語が分からないので必要でした。日本語字幕で観たらどう感じたでしょうね~。
野田秀樹作・演出・出演 新作「One Green Bottle」東京公演は、昨日全公演を無事に終了。今週末は韓国 Seoul にて公演がございます!大勢のご来場、誠にありがとうございました。写真:篠山紀信 @OGBgeigeki2017 pic.twitter.com/lKbp8xDY2o
— 東京芸術劇場 (@geigeki_info) 2017年11月20日
ここからネタバレします。
開場時間は「伊集院光選曲 おバ歌謡」の曲が流れていました。『THE BEE』の「剣の舞」も収録されています。
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上手で小鼓の音が鳴り、下手から“禿ヅラ”にはかま姿のキャサリン・ハンターさんが登場。いきなり笑ってしまいました。演奏は本物(田中傳左衛門)で、能役者は偽物(女性だし英国人だし)! まがい物感を堂々と、真剣に見せるのが可笑しい!!
父(キャサリン・ハンター)が下手の橋掛り的な通路から登場する時点で、「夢幻能」を思わせるため、登場人物3人は既に死んでいるという解釈が可能です。最後に下手から光が漏れて、誰かが牢獄となった家にやってきた、助けが来たのだ…とも想像できますが、“One Green Bottle”の歌の歌詞が「ボトルが0本になった」と締めくくられるので、私は死出の道への誘いだろうなと思いました。
子犬たちの出産を終えた母犬も死んで、朦朧とする意識のなか、父が舞います。死を目前にして人間は何をするのか。「芸術だ」と書かれた書物を読んだ気がするのですが…忘れちゃいました。無念。
※10月29日(日)・31日(火) プレビュー公演
≪東京、ソウル≫
出演:キャサリン・ハンター、グリン・プリチャード、野田秀樹
作調・演奏:田中傳左衛門
声の出演:デヴィッド・チャールズ(英語)、川原由樹(日本語)
脚本・演出:野田秀樹
英語翻訳:ウィル・シャープ
美術:堀尾幸男
照明:クリストフ・ワーグナー
衣裳:ひびのこづえ
サウンドデザイン:原摩利彦
音響:藤本純子
舞踏指導:尾上菊之丞
能 所作指導:津村禮次郎
映像:奥秀太郎
ヘアメイク:赤松絵利
宣伝美術のアートディレクター:吉田ユニ
バック・トランスレーション:常田景子 ピーター・マーシュ
演出助手:ラガ・ダール・ヨハンセン
プロダクション・マネージャー:ニック・ファーガソン
プロデューサー:内藤美奈子
企画・制作協力:NODA・MAP
主催:東京芸術劇場 アーツカウンシル東京
【発売日】2017/07/29
【全席指定・税込】
英語上演・イヤホンガイド(日本語吹き替え)付
一般:6,000円 65歳以上:5,000円 25歳以下:3,000円 高校生割引:1,000円
<プレビュー公演>
一般:5,000円 65歳以上:4,000円 25歳以下:2,500円
※未就学児はご入場いただけません。
※65歳以上、25歳以下、高校生割引チケットは、劇場ボックスオフィスにて前売のみ取扱い。(枚数限定・要証明書)
※中学生以下の方も高校生割引チケットをご購入いただけます。
※障害をお持ちの方:割引料金にてご観劇いただけます。詳しくは、劇場ボックスオフィスまで。(要事前予約)
※公演情報等につきましては、変更が生じる場合がございますので、ご了承ください。
http://onegreenbottle.jp/
http://www.geigeki.jp/performance/theater143/
http://stage.corich.jp/stage/85978
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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