シス・カンパニー『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』10/30-11/26世田谷パブリックシアター

 小川絵梨子さん翻訳、演出のシス・カンパニー『ロズギル』約2時間半、休憩2回含む(1幕38分、10分休憩、2幕50分、10分休憩、3幕42分)。

 レビューは2018/05/27に公開。

≪あらすじ≫ 公式サイトより
コインの裏表をかけながら、森の中を行く、ごくごく普通の二人組。
彼らの名は、ローゼンクランツ(生田斗真)とギルデンスターン(菅田将暉)。
デンマークの王子・ハムレット(林遣都)がどうやら正気を失ったらしい、と義父となった国王・クローディアス(小野武彦)が、その真偽を調べるために、ハムレットの学友だった二人を呼び寄せたのだ。
自分たちの旅の目的は分かるけれども、その目的をどう果たせばよいのか分からない二人。
ただただオタオタする二人のそばを「ハムレット」の物語は粛々を進み、そして、、、、。
自分たちも物語のひとつとして、なす術もなく、どんどん死が待つ結末に向かって運ばれていく「誰でもない彼ら」。 
かくて運命に流された二人は、「ハムレット」の物語に書かれた通り、この短い台詞によって存在を完全にかき消されてしまうのだろうか・・・。
≪ここまで≫

 『ハムレット』の脇役2人が旅芸人の一座による劇中劇に飛び込んで自我を問う。パンフにある通り、この戯曲は人生そのものだと思えた。多分この戯曲の上演を観るのは3度目。とても面白く、自分のこととして考えられた。

 ここからネタバレします。

 ロズとギルは重要なポイントで判断を他人任せにし、人間関係に真剣さを欠いたから、取り返しが付かなくなったんだろうと思う。でも弱き者(庶民)が強き者(為政者)に逆らえないのも確か。傑作古典のスピンオフから声なき者の声、姿を笑いに包みながら見せてくれた。

 舞台上にあるひな壇は客席の形にも見えて、常に誰もが見る・見られる関係にある。2人が成仏する瞬間を暗転で示すのが面白い。「次こそは」が最期のセリフにならないように、生きたいものだ。

出演:生田斗真、菅田将暉、林遣都、半海一晃、安西慎太郎、松澤一之、立石涼子、小野武彦、田川隼嗣、林田航平、本多遼、章平、長友郁真
作:トム・ストッパード
翻訳・演出:小川絵梨子
美術:伊藤雅子
照明:勝柴次朗
衣装:前田文子
音楽:坂本弘道
音響:加藤温
ヘアメイク:宮内宏明
舞台監督:瀧原寿子
プロデューサー:北村明子
企画・製作:シス・カンパニー
提携:公益財団法人せたがや文化財団/世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区
【一般前売開始日】 2017年 9月 16日(土)
【料金(全席指定・税込)】 S席¥10,000  A席¥8,000  B席¥6,000
小学生未満のお子様はご入場いただけません。
http://www.siscompany.com/rosen/
https://setagaya-pt.jp/performances/201710rosen-3.html
http://stage.corich.jp/stage/86207

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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