【写真レポート】「横浜トリエンナーレ2017」08/04-11/05(横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館・地下、ほか)

 「横浜トリエンナーレ」は3年に1度、横浜で開催される“現代アートの国際展”です。現代美術の展示を拝見するのはとても久しぶりな気がします。空いている美術館でゆったり見られて幸運でした。

赤レンガ倉庫の入り口
赤レンガ倉庫の入り口

 私は横浜赤レンガ倉庫1号館と横浜美術館に伺いました。赤レンガ倉庫から横浜美術館へは無料のトリエンナーレ専用バスを利用しました。便利!親切!!

 以下、「レポート」と言えるほどではありませんが、ちょこっと感想を書いておきます。撮影は可だったり、不可だったり色々でした。私はアイデアやコンセプトよりも、手作業に感動するタイプのようです。

●横浜赤レンガ倉庫1号館

・キャシー・プレンダーガスト
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/kathy-prendergast

 黒塗りの地図に小さな白い点が無数に。街の灯りなんですね。楽しくなりました。

・瀬尾夏美 ※横浜美術館にも展示有り。
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/seo-natsumi

 戦争体験者の言葉から想を得て描かれた絵たち。人の心、ぬくもりが伝わってきました。

・ドン・ユアン(董媛)
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/dong-yuan

 「おばあちゃんの家」の家財道具などをキャンバスに描き、部屋のように展示。祭壇、ろうそく、タンス、料理、薬瓶などがそれぞれ別のキャンバスに描かれているんです。間もなく区画整理でなくなってしまう物たちの一つ一つを写実的に絵にされています。涙がボロボロ流れてしまった…。窓辺の植木にも、使い古したコップにも、人の生活が、歴史が刻まれている。愛情がたっぷり注がれているように感じました。

ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より
ドン・ユアン(董媛)「おばあちゃんの家」より

●横浜美術館

・アイ・ウェイウェイ(艾未未)
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/ai-weiwei

 正面玄関に救命胴衣とゴムボートがずらり。シリア難民の映像が鮮やかによみがえります。目の前の噴水では子供たちが歓声を上げて、ずぶ濡れになりながら遊んでいました。強烈な対比に胸がギューっと締め付けられました。

アイ・ウェイウェイ(艾未未)《安全な通行》2016、《Reframe》2016より
アイ・ウェイウェイ(艾未未)《安全な通行》2016、《Reframe》2016より
右に見えるのが噴水です↑
右に見えるのが噴水です↑
水着持参で遊んでいるお子さまも
水着持参で遊んでいるお子さまも

・青山悟
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/aoyama-satoru

 精密な刺繍が素敵。最初、女性政治家の肖像画は刺繍と気づかなかった…。

・風間サチコ
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/kazama-sachiko

 社会批判が直接的に伝わってきますが、レトロかつ近未来的なデザインがコミカルでわくわくする。

・木下晋
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/kinoshita-susumu

 鉛筆で写実的に描かれている…と思ったら、実は抽象性もある大きな手、足、顔。ホっとするし、ドキっとする。

・畠山直哉(陸前高田出身)
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/hatakeyama-naoya

 写真って凄いと改めて。震災後の陸前高田の風景写真がパノラマで体感できるようになっていて、ここでも涙。

・ワエル・シャウキー(エジプト(アレキサンドリア))
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/wael-shawky

 ガラス製の糸操り人形を使って、十字軍の物語を映画に。エスニックな絨毯に座って大画面で鑑賞。人形が超かっこいい!人形実物の展示もあります。

・Don’t Follow the Wind
 (2015年3月11日より福島県帰還困難区域内某所にて展示を開始)
 https://sites.google.com/site/yokotorisup/2017/artists/dont-follow-the-wind

 VR(virtual reality)を見られる被りものを頭に装着。私は“赤ベコ”を。写真は他の被りものです。福島県の方が作成されたとのこと。
 VRの映像って自分が見たい方向を見られるんですね。椅子に座って体をぐるぐる回して鑑賞します。今は立ち入り禁止の展示場所の映像が見られます。

VRが仕込まれたキャップ(被りもの)です
VRが仕込まれたキャップ(被りもの)です

 以上、特に印象に残った展示についての、ひとこと感想でした。美術館は優しい場所ですね。たくさんの刺激を受け取って、一人で静かに反芻する時間をもらえました。

横浜トリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス Yokohama Triennale 2017
2017年8月4日(金)‐ 11月5 日(日) 開場日数:88日間
会場:横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館 地下 ほか
ヨコハマトリエンナーレ 2017鑑賞券
一般 当日 1,800円
大学・専門学校生 当日 1,200円
高校生 当日 800円
中学生以下 無料
※セット券(「ヨコハマトリエンナーレ2017」「BankART Life V」「黄金町バザール2017」のパスポート):
 一般 当日 2,400円
 大学・専門学校生 当日 1,800円
 高校生 当日 1,400円
 中学生以下 無料
http://www.yokohamatriennale.jp/2017/

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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