岡田利規さんがご自身の2004年岸田國士戯曲賞受賞作を、若い俳優とリクリエーションされました。上演時間は約1時間半弱。素晴らしかったです。
横浜公演の後、豊橋、京都、香川、名古屋、長野、山口とツアーがあります。2018年秋にはパリ公演も!どうぞお見逃しなく!
↓戯曲本がロビーで発売中です。
約1時間半弱。めっちゃ面白かった…興奮がさめないよ…!20代前半の若い俳優の初々しさと、岡田利規さんの演出のますますの洗練と。私自身も感じていた「若い俳優ほど演…https://t.co/5O0vetJE8n #チェルフィッチュ #三月の5日間 リクリエーション #舞台 #演劇
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2017年12月1日
チェルフィッチュ「三月の5日間 リクリエーション」。娘は2007年の六本木公演を観ている。今回出てる俳優と同世代。岡田さんのパンフの言葉にあるように、見られることに慣れているのね。納得だ。娘もそうだから。見せるために作ることに迷いがない。「自分」に無理に頓着しない。俳優に向いている。
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2017年12月1日
再演の六本木公演は2006年でした。失礼しました。
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2017年12月1日
チェルフィッチュ「三月の5日間 リクリエーション」俳優の想像は観客に伝わる。具体的にイメージしながらセリフを話すから、観客の脳内にも像が浮かぶ。それが徹底されていると思う。「言葉が上滑りしてて何言ってるのかわからない」ことがない。稽古大変だったんだろうな…ありがたいことです。
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2017年12月1日
≪作品紹介≫ 公式サイトより
活動20周年を節目に、代表作『三月の5日間』のリクリエーションに挑みます。初演から10年以上が経ち、若者像も、都市も、情報の速度も、戦争との距離も変わったいま、もはや“時代劇”とも呼べる本作が、全国オーディションによって選ばれた20代前半の俳優7人によって新たに生まれ変わります。
今はむかし、二〇〇三年三月の、イラク戦争が開戦した頃の東京を舞台にした芝居です。
このひとむかし前の戯曲を新しい仕方で、若い(かつ力強い)七人の役者によって上演します。
テキストも案外と大幅に書き換えて。
二〇一七年十二月の日本で『三月の5日間』が上演されることは何を引き起こすでしょう?
-岡田利規
≪ここまで≫
すごく刺激的で、感動的で、幸せな時間でした~。2004年の初演、2006年の再演など、何度も拝見してきましたが、自分が年を取って時代も変わっていますから、毎度発見があり学びもあります。傑作戯曲であるとあらためて感じ入りました。
レビュー⇒1、2、3、4(私は今回で8回目のようです)
いつもながらの岡田さんのハイセンスな演出にすげ~~~ってうなりながら、ちくちくとムカついたりも(笑)。あまりにさりげない、なのに注目せざるを得ない!そんなポイントが多い!!
藤谷香子さん(FAIFAI)の衣装がまたキレッキレ!センス良すぎて参っちゃいますね、いつも!!
舞台中央からぶら下がる四角い物体に英語字幕が映写されます。セリフが多いから量も多くて速い(笑)。字幕を出すことが前提になってる舞台美術ですね。照明、文字も込みで全体を楽しめました。
今回の出演者の方々は透明度が高いことも私好みでした。ツイートにも書きましたが、若い俳優ほど私好みの柔軟で、繊細な演技を見せてくれることが多いんです。岡田さんの文章を読んで、その理由の1つがわかった気がしました。
以下、当日配布パンフレットの岡田さんの文章より部分引用します。
岡田:当たり前のことですが演劇を可能にする最大の条件は役者です。この上演の出演者はみな二十代です。僕は今回強く実感したのですがこの世代は見られることへのスキルが僕ら年長世代とは比較にならないほどすぐれています。さすがです。それは演劇の上演を感覚的な経験にしてくれるための超強力なスキルですから彼ら世代は演劇上演のクオリティをアップグレードしてくれるでしょう。頼りにしています!
ものすごく納得しました…。私の娘も今回の出演者と同世代でして、外見へのこだわりが凄いんです(私が気にしなさすぎなのかもしれませんが)。自分が他者からどう見えるのか、どういう印象を持たれるのかを客観的に分析し、それをもとに結果を出してくるんですよね。その成果の精度が高い。手のひらのスマホでSNSから世界に直結して、常に自分を晒しているわけですから(友人、家族内だとしても)、感覚も鋭くなるし技術も磨かれるわけですよね。そして「自分自身をどう見せたいか」を研究しているから、「自分はこういう人間だ」という執着が薄い。これは俳優にとても向いている性質だと私は思います。
チェルフィッチュ「三月の5日間」リクリエーション、KAATで開幕 https://t.co/C3y2Wr7A5i pic.twitter.com/RA3VkXlqUh
— ステージナタリー (@stage_natalie) 2017年12月1日
7人の若い役者と作る新しい『三月の5日間』リクリエーションについてチェルフィッチュ岡田利規に聞く #チェルフィッチュ #岡田利規 https://t.co/TJsiJzu3pI pic.twitter.com/0xTDzWG0QP
— SPICE[舞台情報メディア]/e+ (@spice_stage) 2017年11月28日
【新刊】『三月の5日間[リクリエイテッド版]』岡田利規著。リクリエイトされた表題作に、「あなたが彼女にしてあげられることは何もない」「部屋に流れる時間の旅」「God Bless Baseball」を併録。 https://t.co/CqZKct6tEg
『三月の5日間』リクリエーション12月より巡演! https://t.co/lgNoYykUWs pic.twitter.com/wmXgFLM7kX— 白水社 (@hakusuisha) 2017年11月27日
ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。
2003年の3月、アメリカがイラクに宣戦布告をして戦争が始まりました。そんな時、渋谷のラブホで5日間の非日常を過ごしたミノベくんとユッキー、映画館で偶然会ったアズマくんとミッフィーちゃん、戦争反対デモに参加するヤスイくんとその友人(役名失念)らが登場します。
最初に出てきたミノベくんが女性だったので、いきなり男女の性差を超えました。ラブホに行くのは男女じゃなく女女、男男でもいいですものね。ふわふわ、ゆらゆらと揺れながら、でも目的を持ってしっかり舞台に居る若者たちは、彼ら彼女ら自身でありながら、何かが入り込む余地のある“枠”のようでもあり、私がとても好きな状態をキープしていました。共演者に対しても、客席に対しても、心身が解放された状態と言いましょうか。風通しが良く、体が透き通っているように見える(感じる)のです。私はいつもそんな俳優を観たいと思っています。
「私終わった、火星に行きたい」と言うミッフィーちゃんが登場する前から、既に宇宙や時間を超えた世界のイメージが立ち上がっていました。これも俳優と演出の仕業だと思います。感情や言葉の意味から体が解放されているように見えますが、時には直結することもある。その操作というのか、存在の仕方が自在だと思いました。芯(感情、心、イメージ、意味など)を太くしてあるから、表面(体や動き)が自由なのではないでしょうか。
ヒット曲(SMAP「世界に一つだけの花」)や“アンミラ”という固有名詞が耳に入り、あぁこれは古典なんだな、目の前にいる俳優たちは知らない時代の話なんだなと確かめました。それでいてまぎれもない現在である。演劇で古典を上演する時の醍醐味だと思います。
コンドームを2ダース使うほどセックスしまくった男女のエピソードで、その2人には裸もキスもないのですが、他の女性がへそ出しルックをしてくれていて、これがまあ、エロイのなんのって! これ見よがしとさりげなさのバランスが憎い!
床には白い直線が数本描かれていてシャープな印象です。そのうちの1本を俳優がおもむろに、ペリペリっと剥がした!なんだ貼ってるだけなんだ!…こういう演劇の嘘をバラすような仕草を盛り込むセンスも凄い。
ミノベ君は「横に寝てる女、誰だよ!と思って、誰かわからなかったレイ・コンマ何秒かは、手を出さなかった俺、えらい。俺は人間だ」等と言います。対してユッキーには「地面にあった物体を犬かと思ったら人間だった。自分が人間を人間だと思っていなかった瞬間があったことに耐えられず、吐いた」と言わせるんですね。2人を対照させていることが、とてもはっきりと伝わりました。人間に向けて爆弾を落とす兵士も、ディズニーストアの客に血だらけの子供の写真を見せつける“意識高い系”デモ参加者も、「相手を人間だと思っていない」のだなと思いました。
新キャスト、新テキスト、新演出で生まれ変わる
チェルフィッチュ『三月の5日間』リクリエーション、世界初演!
12月1日(金)~20日(水) KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>https://t.co/F2UqBipoEc pic.twitter.com/w7Nze9t1AY— チェルフィッチュ (@chelfitsch) 2017年11月29日
12/1発売のシアターガイド「1テーマ2ジェネレーション」は(なんと!)岩松了さん×岡田利規さんという顔合わせ。東日本大震災を何度も描き、しかも時間を経た作品(おふたりの最新作)のほうが具体的な設定という共通点から、「時間と記憶」をテーマにお話しいただきました。重要キーワードあれこれ!
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2017年11月30日
『三月の5日間 リクリエーション』について、岡田利規さんにインタビューしました。若い俳優と創作することについて、さまざまな角度から答えてくださっています。結構、長め。本格的な稽古に入る前の取材でしたが、今とブレはないはずなので、ぜひお読みください! https://t.co/GvaJ7kYaLp
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2017年11月25日
で、同じ岡田利規さんのインタビューの、こちらはショートバージョン。フリーペーパー「月刊ローチケHMV」の転載です。せっかく良い話がたくさん聞けたのにーと、前の投稿を掲載することになりました。どこをどう省略したのか、読み比べてもおもしろいかもです。https://t.co/QRkGK9si2v
— 徳永京子 (@k_tokunaga) 2017年11月25日
【『三月の5日間』初演俳優アンケート】瀧川英次(俳優、映画コメンテーター)
脳内で何を思い描くかのダメ出しでした。そしてその稽古が普通に数時間ぶっ続けで休憩なしで。台詞を入れたら後は何とかなると思っていましたが台詞が完璧に入ってからの方が地獄でした。https://t.co/az14wNWBav pic.twitter.com/GnnTqajIyp— チェルフィッチュ (@chelfitsch) 2017年11月30日
【『三月の5日間』初演俳優アンケート】山崎ルキノ(俳優)
岡田さんが『三月の5日間』という戯曲を書いていなければ、ここまで強い演出や俳優の身体はうまれなかったのかもしれないと思えてしまいます。https://t.co/9wNy5goLY0 pic.twitter.com/Jl99vBvJqm— チェルフィッチュ (@chelfitsch) 2017年11月30日
英次くんとルキノさんのインタビューもすごい面白いな。二人はたぶん、「三月の5日間」時点で最も普通にすでにキャリアのあった俳優だから、岡田さんの方法論の異次元感との衝突もとりわけ大きかったのだと思う。それが克明に伝わってくる。
— Masato EGUCHI (@queequeg) 2017年11月30日
英次くんが書いてる六本木の地理の説明の稽古、自分も9場でデモのルート説明の台詞があるので、同様のことをやって、とても印象に残っている。最初台詞喋ってるとき「なんか違うな」と言われて、自分の家から駅の経路を説明してみて、と言われて、やって、
— Masato EGUCHI (@queequeg) 2017年11月30日
で、岡田さんに「デモのルート説明してるときはイメージが二次元(地図の俯瞰)になってるけど、自分の家と駅の説明してるときはイメージが三次元になってるんだね。台詞のときも三次元でイメージして」と指摘されて。岡田さんすげーと思った瞬間のひとつ。
— Masato EGUCHI (@queequeg) 2017年11月30日
初演の「三月の5日間」の台本。落書きがひでえ。稽古場で暇だったのかよ、俺。#チェルフィッチュ pic.twitter.com/VfecmSNHvU
— 赤ペン瀧川/12月31日にソロライブ! (@akptakigawa) 2017年11月29日
制作発表に。撮影させて頂いているチェルフィッチュの創作現場は想像力に満ちて刺激的。山あり谷あり、長い旅。それは社会の、日本の、世界の縮図(?)若い俳優のみなさん奮闘しています。
「三月の5日間 リクリエーション」の軌跡をたどる、太田信吾のドキュメンタリー https://t.co/2sKYsYUiKN
— ShingoOta 太田信吾 (@shingo_ota) 2017年11月28日
チェルフィッチュ『三月の5日間』再創作に迫る記録映画 監督は太田信吾https://t.co/inGd6TqCQL pic.twitter.com/HrONWH1qTv
— CINRA.NET (@CINRANET) 2017年11月28日
【チェルフィッチュ20周年特設WEB】
全国ツアー終了報告 – 7人の俳優からのことば
『三月の5日間』リクリ全国ツアーが3月10日の山口公演にて閉幕! この先、5月そして秋にヨーロッパでの公演を控えるなかで、俳優たちは、今、何を考えているのか。コメントが寄稿されました!https://t.co/bNd7fRQ42p pic.twitter.com/YQEXcoKNgS— チェルフィッチュ (@chelfitsch) 2018年3月16日
≪神奈川・豊橋・京都・香川・名古屋・長野・山口≫
出演:
朝倉千恵子(ミッフィーちゃん)
石倉来輝(男性、映画館でミッフィーちゃんと出会ったアズマくん、ヤスイくん)
板橋優里(最初のミノベ君、アメリカ大使館の近所に住む、デモに文句を言う人)
渋谷采郁(最初のユッキー)
中間アヤカ(へそ出しルック)
米川幸リオン(男性、デモで花粉症発症)
渡邊まな実(最後のユッキー 赤いコート、筒状灰色マフラー、毛皮の肩掛けバッグ)
脚本・演出:岡田利規
舞台美術:トラフ建築設計事務所
技術監督:鈴木康郎
照明:大平智己(ASG)
音響:牛川紀政
衣裳:藤谷香子(FAIFAI)
英語翻訳:アヤ・オガワ
宣伝写真:小林健太
宣伝美術:牧寿次郎
主催:KAAT神奈川芸術劇場
企画制作:株式会社precog
(全席自由席・整理番号付・税込)
前売一般 3,500円
当日一般 4,000円
U24(24歳以下)1,750円
高校生以下 1,000円
※U24、高校生以下チケットは前売りのみ/チケットかながわのみでの取扱/枚数限定、要証明書
※車椅子でご来場の場合は、事前に以下のチケットかながわにお電話ください。
※未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。託児サービスのある回をご利用ください。
https://chelfitsch20th.net/
http://stage.corich.jp/stage/87417
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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