劇団 短距離男道ミサイル『走れタカシ~僕が福島まで走った理由(わけ)~』10/06-09せんだい演劇工房10-BOX box-2

 「仙台卸町アートマルシェ2017」(通称:おろシェ)で10/09(月・祝)に拝見した舞台の感想です。
 劇団 短距離男道ミサイルは「CoRich舞台芸術まつり!2017」でグランプリを獲得した、仙台拠点の劇団。今回もすっごく楽しかった~~~♪ 裸で人生を晒して、道化に徹してくれるから、彼らを観たらとにかく元気になれる!

 現在は東北六県+九州二都市を回るツアーの最終段階で、熊本公演を観た観客が約1分の動画↓を作成・公開されています!ぜひご覧ください!投稿者の熱いコメントもお読みください!

 そして、クラウンドファンディング↓も実施中。★2017/11/20(月)23:59まで!

 彼らの決意表明はこちら↓(抜粋)。
 「前回のツアーを通して感じたこと―それは、「東北にはお芝居が必要とされている」ということでした!東北全土を巡って、大切なことがわかりました。それは、人口が少なく、普段お芝居があまり来ない地域ほど、盛り上がる!!―ということです。」
 「劇団でありながら、東北のお祭り男集団として、演劇公演(=非日常)を通して、東北全土を盛り上げていきたい
 「東北の地で演劇活動を続け、よりハイクオリティな作品を創作し続け、東北から始まり全国、全世界へ発信していきたい

 実は私、『走れタカシ~(略)』のチラシに推薦文↓を書かせていただいております…!

 「文字通り裸になって自分をさらけ出し、道化に徹して全身全霊で観客を楽しませてくれる劇団 短距離男道ミサイルは、車一台で各地を巡る勇気と行動力を備えた演劇界の希望です。太宰治作「人間失格」に劇団員の実人生を重ねた前作は、出血大サービス!(笑)の悲喜劇でした。新作『走れタカシ』でも演劇の魅力を全方位にぶっ放して、必ずや観客を笑顔にしてください!
 高野しのぶ(現代演劇ウォッチャー/しのぶの演劇レビュー主宰)」

 かなり煽った気でいたのですが(嘘は書いていません!)、私以外のお2人(太宰治記念館「斜陽館」館長さん、中屋敷法仁さん)の方が強かった…(笑)。

 グランプリ受賞作『母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ~(略)』に続き、今回の『走れタカシ~(略)』もすごく面白かったです。座組み全体から伝わる熱々のホスピタリティーに感動!そして本田椋さんの前説はやっぱり楽しい!文字通り全身全霊で歓迎してくださいます。今回は主役のタカシ役である加藤隆さんが、幕開きからほぼ走りっぱなし(笑)ということもあり、人間の肉体の美しさに気づかされたというか…筋肉そのものに力が宿っているのだと思い至りました。大げさじゃなく!

 ここからネタバレします。とはいえ、何もかも知ってから観ても、きっと面白いと思います!

 本田さんの「写真、動画撮影OK!」という前説中から、タカシ(加藤隆)が走って劇場にやってくるという幕開きです。加藤さんの上半身に付けたカメラで撮影する映像が、舞台正面奥のスクリーンで生中継されます。私が観た回は早く着き過ぎたので、もう一度走ってくることに(笑)。

 太宰治作「走れメロス」(⇒青空文庫)のパロディーで、キャスト3人(本田椋 加藤隆 小濱昭博)の実人生を重ねていきます。劇団の暴君(本田)が自分に逆らったタカシ(加藤)に死刑を宣告。タカシは故郷に暮らす弟(小濱二役)とその恋人(本田二役)を結婚させたいと請い、自分の代わりに小濱を人質として、暴君のそばに残し出発します。そこからタカシはランニング・マシーンに乗ってほぼ走りっぱなし(笑)。

 加藤さんは5人兄弟で実家は福島県です。家屋の画像もスクリーンに映し出されます。ご自身だけでなく弟さんのエピソードも赤裸々に披露(ご家族の許可済みとのこと)。強引に挙げさせる結婚式には“余興(という名のゲスト出演)”があり、私が観た回のはプロのバイオリン演奏でした。映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の主題曲とマイケルジャクソンの「Smooth Criminal」。バイオリンをつま弾いて演奏するんです。カッコ良かった~!

 走るタカシにいくつもの試練が襲ってきます。数Ⅱ、数Ⅲの問題とか(笑)。無理やり乗り越えた後は「これからもよろしくな!」と試練を見送ります。やがて原発が出て来るとタカシは殴り倒す! 痛快でした。でも原発に向かって「お前は悪くない!」と言うのです。敵とこれからも共に生きていく決意と、それを真っ直ぐに伝えるポジティブな包容力に心から感動…! 私もこのように生きていきたいと思いました。

 終演後はカンパ箱にどんどんと人が集まり、お札でいっぱいに。私も少し協力させていただきました。

美しい筋肉の加藤隆さん
美しい筋肉の加藤隆さん

 ■観客のツイート

 ■『走れタカシ』うまい棒は、開けるとうまい棒が出てきました。パッケージを上から被せた商品なんですね。

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 ■今年のゴールデンウィークは静岡でも活躍

 ■ニュース

23発目 裸の古典シリーズ#4
「走れタカシ~僕が福島まで走った理由~今度の東北は走って巡る!?一年も経たないうちにまた廻っちゃいます!! 東北六県ぐるっと一周り&九州二都市弾丸ツアー♨おいおいお前ら、無茶しやがって・・・編」
出演:本田椋 加藤隆 小濱昭博
原作:太宰治「走れメロス」
脚本・演出:澤野正樹
全席指定
一般:2,500円、学生:2,000円、高校生以下:1,000円、VIP:5,000円
※VIPシートは特典付きです。
チケット取扱:ローソンチケット(一般のみ取扱)、せんだい演劇工房10-BOX、おろシェWEB(学生、高校生以下、VIPのみ取扱
タイムテーブル:http://www.artmarche.site/posts/2849823
おろシェHP:http://www.artmarche.site/
予約:http://www.artmarche.site/pages/905803/gallery

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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