『散歩する侵略者』は前川知大さんが作・演出される劇団イキウメの代表作です。同劇団による4度目の上演となりました(⇒2011年版のレビュー)。すごく面白かった!今回の『散歩~』は大人でスタイリッシュ!上演時間は約2時間10分、休憩なし。
客演の内田慈さんが抑えた演技でエレガントに魅せてくださいました。看板劇団員の浜田信也さんは私が今までに観た中で一番良かった~! 当日券は毎回出るそうです。前半は普通に空席もあったようですよ。東京の後、大阪、北九州公演あり。
【散歩する侵略者】一幕130分を予定。シアタートラム。自分の人生を別な角度から見る為に行く、という気持ちが自然と起きるのに、ふさわしい大きさの劇場。最終リハーサル終わりました。地図にのっていない世界がありますように。明日の東京のお天気、晴れとの予報です。(ゲネプロ撮影 田中亜紀) pic.twitter.com/HAYkUqtvdf
— イキウメ/カタルシツ (@ikiume_kataru) 2017年10月26日
【散歩する侵略者】一方、劇団で2005年から上演のこの物語。本日も三軒茶屋で無事終了。いつもの俳優・スタッフ、かつて関わっていた人、今回初参加の人。全員の知恵と汗と、何かで出来てます、半分まで。あとの半分は本日もお客様に作っていただきました。当日券、毎日受付で売っています。 pic.twitter.com/a8c8bnzSir
— イキウメ/カタルシツ (@ikiume_kataru) 2017年11月2日
ただいま映画版↓が上映中。
黒沢清監督が松田龍平さんとの再タッグを熱望!?映画『散歩する侵略者』カンヌ国際映画祭から撮影裏話まで、今こそ話せる貴重なエピソードの数々!10/8(日)新宿ピカデリーで行われたトークイベント公式レポートが到着しました!https://t.co/JQWrJRZ40B
— 映画会社日活 (@nikkatsu100) 2017年10月11日
スピンオフドラマも映画館で公開↓されます。
11月11日(土)公開『予兆 散歩する侵略者 劇場版』
新宿ピカデリー初日舞台挨拶が決定しました!
本日11月1日AM11:00より「チケットぴあ」にてプレリザーブ受付開始!
詳細はこちら↓https://t.co/jM6XxbkQa5#予兆 #散歩する侵略者 #Pが侵略中 pic.twitter.com/OAvHzJHs5U— 映画『散歩する侵略者』 (@sanpo_movie) 2017年10月31日
WOWOWの「散歩する侵略者」スピンオフドラマ「予兆」が5話繋げて編集した劇場版となって公開されます。見どころは概念をズル抜かれて廃人となった安井順平です。 https://t.co/tlkQwbzWBZ
— 前川知大 (@TomoMaekawa) 2017年10月24日
前川さんご自身による小説版もありまして、文庫本が発売↓されました。
KADOKAWA (2017-07-25)
売り上げランキング: 74,603
イキウメ前回公演『天の敵』(⇒レビュー)のDVD↓が発売開始。2011年の舞台『散歩する侵略者』のDVDと、戯曲本がイキウメ公式サイトで購入可能です。
【別館M2階DVD/CD】東京芸術劇場にて2017年春に上演された、劇団イキウメの新作『天の敵』がDVD化! 映画も公開され、今週末から改定公演も始まる『散歩する侵略者』の2011年公演のDVDとあわせて演劇D-3の棚にて展開中。「日常に潜む非日常」を、あなたの日常にぜひ。FY pic.twitter.com/MEGCySrfYd
— 紀伊國屋書店 新宿本店 (@KinoShinjuku) 2017年10月23日
レビューは途中です。後日加筆予定。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
海に近い町に住む、真治と鳴海の夫婦。真治は数日間の行方不明の後、まるで別の人格になって帰ってきた。素直で穏やか、でもどこかちぐはぐで話が通じない。不仲だった夫の変化に戸惑う鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。町では一家慘殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発。取材に訪れたジャーナリストの桜井は、“侵略者”の影を見る_。
≪ここまで≫
現代が舞台の、SFの設定を活かした密な人間ドラマです。演劇ならではの軽やかかつシャープな場面転換で抽象空間を変幻させ、想像力を大いに刺激してくれます。コミカルなやりとりが心地よいアクセントになっており、ベタだったりシニカルだったり、笑いの種類も豊富です。笑っていいのかどうかわからないアンビバレントな空気を作るのも巧い。
実はド直球のラブ・ストーリーでもあるのですが、抑制の効かせかたが見事でした。ギュっと凝縮した空気が持続し、巧妙にじらされて(笑)、最後は落涙してしまいました…! 芯の熱さを徐々に表に出していく演技のグラーデーションも、微細にコントロールされています。俳優の仕事をしてくださっていると思いました。
2005年、2007年、2011年と拝見してきた私に、2017年版はどのように響いたのか。中身は変わっていないのに、やはり時代を映すことになるんですね。上空で戦闘機の爆音が轟く、基地のある海に近い街といえば、今の沖縄ですよね。「ミサイルが飛んでくるかも、戦争が起こるかも」と庶民が噂をする状況も、驚くほど今の日本と重なります。否応なしに実生活、社会状況を意識しながら拝見することになりました。
たまたま木下順二さんの書籍「“劇的”とは」を読んでいまして、前川さんの作劇術は木下さんの分析にぴったり当てはまると思いました。
ここからネタバレします。後日加筆予定。
宇宙から来た“侵略者”は3人いて、1人(浜田信也)は真治の体を乗っ取り、他の2人は女子大生(天野はな)と男子高校生(大窪人衛)になっていました。彼らの任務は地球人の調査。出会った人間から言葉とそれにまつわる概念を取得し、学んでいきます。ただし侵略者が概念を得ると、人間はそれを失うという致命的な副作用があるため、小さな街の中で次々に奇妙な“病気”にかかる人間が増えていきます。
■虚構を通じてしか見ることのできない現実
↓宇野氏「世界には虚構を通じてしか見ることのできないもの(現実)が確実に存在する」。文学座『鼻』、KAAT『作者を探す六人の登場人物』を観て感じたことだな~。全然違う意味かもしれないけど。
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2017年10月27日
“宇野常寛氏 「母性のディストピア」刊行にあたって – Togetterまとめ” https://t.co/QyQl95pBEJ
— 柴 那典 (@shiba710) 2017年10月27日
■前川さんのツイート
「散歩する侵略者」映画が公開してやがるからここでもう一度舞台の配役を言っておく。鳴海(内田慈)、真治(浜田)、桜井(安井)、浩紀(板垣雄亮)、明日美(松岡依都美)、車田(盛)、天野(大窪)、あきら(天野はな)、丸尾(森下)、長谷部(栩原楽人)…映画とは役が多少違うのだよ。
— 前川知大 (@TomoMaekawa) 2017年10月2日
≪東京、大阪、福岡≫
【出演】加瀬真治:浜田信也、桜井正蔵(ジャーナリスト、元警察官):安井順平、車田寛治(医師):盛隆二、丸尾清一(無職):森下創、天野真(高校生):大窪人衛、加瀬鳴海(真治の妻):内田慈、船越明日美(鳴海の姉):松岡依都美、長谷部航(丸尾の後輩):栩原楽人、立花あきら(大学生):天野はな、船越浩紀(明日美の夫、警察官、桜井の元同僚):板垣雄亮
脚本・演出:前川知大/美術:土岐研一/照明:原田保/音響:青木タクヘイ/音楽:ゲイリー芦屋/ドラマターグ・舞台監督:谷澤拓巳/衣裳:今村あずさ/ヘアメイク:西川直子/演出助手:石内詠子/宣伝美術:鈴木成一デザイン室/アートワーク:オノデラユキ/舞台写真:田中亜紀/照明操作:濱野洋平/音響操作:鈴木三枝子/演出部:渡邉亜沙子/制作部:坂田厚子 美馬圭子/プロデューサー:中島隆裕
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
提携:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区 TOKYO FM
運営協力:サンライズプロモーション東京
主催:エッチビイ
【発売日】2017/08/19
一般:4,800円
当日:5,000円
友の会会員割引:4,500円
せたがやアーツカード会員割引:4,700円
※未就学のお子様はご入場いただけません
http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html
https://setagaya-pt.jp/performances/201710sanposuru.html
http://stage.corich.jp/stage/86205
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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