『高き彼物』は2000年に発表されたマキノノゾミさんの傑作戯曲。2012年にメルマガ号外を発行しました。⇒オーディション告知エントリー
静岡のSPACで俳優の古舘寛治さんが演出に挑戦。舞台美術デザインは宮沢章夫さんです。
SPACなう。マキノノゾミ作、古舘寛治演出「高き彼物」。小栗旬さんが終演後のトークに出演する回で、早々と前売完売。当日券の発行もなし。 pic.twitter.com/3qAjx4Zj5N
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年11月5日
SPACにてマキノノゾミ作、古舘寛治演出「高き彼物」①約2時間55分休憩込み。傑作戯曲がまた新しい演出を得て蘇る。素晴らしかった!能舞台を思わせる抽象舞台(宮沢章夫)の中央にある畳の部屋に、70年代の日本の暮らしを凝縮。人生に七転八倒する市井の人々の姿を、今ここで生きる(続く)— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年11月5日
SPAC「高き彼物」②自然な演技でストイックに見せる。大真面目に演じるからこそ滑稽で笑える、私の大好きなタイプのセリフ劇。とはいえ演劇の虚構性も堂々と示し、核を保ちつつ遊びも取り入れるのが巧み。SPAC俳優のキャスティングが見事にフィット。オーディション合格の若い俳優も良かった。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年11月5日
SPAC「高き彼物」③終演後は劇場横のカフェで俳優と話せます。写真は若菜大輔さん(左)と石倉来輝さん(右)。若菜さんはいつも地面から3cmぐらい浮いてる風な華やか不思議俳優。今回もその個性を発揮(笑)。石倉さんは思考より感情、身体が優先する少年らしさを飄々と表現。泣かされました。 pic.twitter.com/kLYlFda0Ra— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年11月5日
古舘寛治演出『高き彼物』、一般公演初日を終えました。お客様からは、「演技も物語も濃く、あっという間の3時間でした」という声もいただき、カーテンコールは実に4回を数えました!https://t.co/QhykqrmA3H pic.twitter.com/2Q7ptahD8w
— SPAC-静岡県舞台芸術センター (@_SPAC_) 2016年11月3日
宮城總さんの「中高生のみなさんへ」は必読。「高き彼物」もお薦めです! https://t.co/gw1tsvab1u
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年11月13日
⇒CoRich舞台芸術!『高き彼物』
以下はツイートや記録など。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
1978年夏、SLの汽笛が聞こえる静岡県川根町の雑貨屋。友人をバイク事故でなくして失意に沈む高校生・藤井秀一に対し、元高校教師の猪原正義は、時に熱く、時におおらかに、その心の傷を癒やそうとする。しかし、より良く生きたいと願う正義にも、人には言えない秘密があった……。笑い・涙・驚きの全てが詰まったマキノノゾミ珠玉の名作を、リアルな演劇とは何かを問い続けてきた俳優・古舘寛治が演出。他者、そして自身の多面性を受容していく普遍のドラマ。
≪ここまで≫
終演後にカフェ・シンデレラで片山役の若菜大輔さん(↓写真)とお話をさせて頂きました。若菜さんは公募オーディションに合格して『黄金の馬車』(2013年)に出演して以来、SPAC作品によく出演されています。次は12月の新作『冬物語』が控えます。
前半2週間、後半4週間の合計6週間もの稽古があり、演出の古舘寛治さんは「役を演じながらも常に周囲に耳を澄ますこと」を徹底されていたとのこと。宮城聰さんが俳優に求めることでもあるそうです。
≪アフタートーク≫
小栗旬:いやー、演劇っていいですねー!
古舘寛治:不明にしてこの戯曲のことは知らず、いくつかの候補の中から「高き彼物」を選んだ。解決不可能な問題が描かれている。普遍性がある。1978年の夏と時代が指定されている。完全に時代劇。何度読んでも泣いてしまった。こんな戯曲を書ける人が日本にいたのかと思った。
■伊達なつめさん
SPAC『高き彼の物』新劇的あざとさとも、いわゆる現代口語演劇のぼそぼそ感とも異なるリアリティを目指した、古館寛治演出に溜飲が下がる思い。ただのリアリズムじゃない。たとえば観客の妄想がマックスになった時点で現れる重要人物の登場のしかたなど、瞬間的に三島的耽美の世界になり、
— 伊達なつめ (@NatsumeDate) 2016年11月4日
@NatsumeDate まさにここに居る人々にとってはこう見える存在という、説得力あるビジュアルでいて説明的にならず絶妙。抽象が入った宮沢章夫の美術もこの演出意図を雄弁に支えてる。そして「屑たばこ集め喫へれど志す高き彼物忘らふべしや」という吉野秀雄の短歌いいなあとしみじみ。
— 伊達なつめ (@NatsumeDate) 2016年11月4日
@NatsumeDate 「高き彼物」でした。「の」は入りませんね。失礼しました。
— 伊達なつめ (@NatsumeDate) 2016年11月4日
NTLiveのようなせりふ劇を作る日本人演出家といえば小川絵梨子さんと思ってきたけれど、SPAC『高き彼物』を観て、古舘寛治さんもそのお1人かもしれない!と歓喜。お2人ともNYで俳優訓練経験あり(伊達なつめさんのツイートに超共感:https://t.co/tK7lcNCwEx)
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年11月5日
■古舘寛治さん
@ishio_slang ありがとうございました!メールも今見ました。挨拶できず残念。本来の演劇を作ったつもりです。それが評判よくて、本当にうれしいです!!!また東京で!
— 古舘寛治 (@Mkandhi091) 2016年11月5日
@shinorev いらしてたのですね!ご挨拶できずすみません!!ありがとうございます!!次のためにどうぞご推薦ください〜!!!
— 古舘寛治 (@Mkandhi091) 2016年11月5日
『高き彼物』一般公演二日目が終わりました。満席。本当に本当に予想を軽く超える反応をいただいています。うれしい。日本ではあまり見られない「普通」で「まっとう」な演劇がやはり受け入れられるのだという私の想像が現実に変わったこの数日間です。ああ、この感慨がこれで終わりませんように。。
— 古舘寛治 (@Mkandhi091) 2016年11月6日
■出演者
【SPAC | 高き彼物】
一般公演初日を終えました。感無量です。なりやまない拍手に4回ものカーテンコール。
見に来て下さった皆様、貴重なお時間いただき本当にありがとうございました。
まだまだここからがはじまり。
ディシプリン、ディシプリン。します。 pic.twitter.com/dp48r7sgZu— 石倉 来輝 (いしくら りき) (@ishikura_riki) 2016年11月4日
@shinorev お会いでき、とても嬉しかったです!素敵な機会に、出会いに感謝しながら、最後まで生き抜きます!ご来場ありがとうございました!
— 石倉 来輝 (いしくら りき) (@ishikura_riki) 2016年11月5日
≪静岡2か所≫(一般公演:11/03-19)
【出演(あいうえお順)】藤井秀一:石倉来輝、警官:武石守正、猪原智子(娘):とみやまあゆみ、中学教師:本多麻紀、猪原平八(父):吉植荘一郎、片山(智子の婚約者):若菜大輔、猪原正義:渡辺敬彦
脚本:マキノノゾミ 演出:古舘寛治 舞台美術デザイン:宮沢章夫
舞台監督:内野彰子
照明デザイン:大迫浩二
音響デザイン:加藤久直
衣裳デザイン:駒井友美子
演出助手:守山真利恵
演出部:神谷俊貴
美術:徳舛浩美、三輪香織
照明操作:加藤悦子
音響操作:山崎智美
ワードローブ:川合玲子
技術監督:村松厚志
制作:中尾栄治、雪岡純、佐藤亮太
宣伝写真:小濱晴美
宣伝美術:坂本陽一(mots)
撮影ヘアメイク:YUKI & RENA(La SUPREME 新静岡セノバ)
主催・製作:SPAC – 静岡県舞台芸術センター
支援:平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
ふじのくに芸術祭共催事業
一般:4,100円 ペア割引:3,600円(2名様で1枚につき)
グループ割引:3,200円(3名様以上で1枚につき)
ゆうゆう割引:3,400円(満60歳以上の方)
学生割引:[大学生・専門学校生]2,000円 [高校生以下]1,000円
障がい者割引:2,800円 ※付添の方(1名様)は無料
※終演後、演出家・古舘寛治とゲストによるトークを開催します。
11月3日(木・祝)ゲスト:宮沢章夫(舞台美術デザイン)
11月5日(土)ゲスト:小栗旬(俳優)
11月13日(日)ゲスト:深田晃司(映画監督)
http://spac.or.jp/takaki_2016.html
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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