早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点「トークショー「新派の〈芸〉を語る―初代水谷八重子の記憶とともに―」」12/16早稲田大学小野記念講堂

 満席の会場で水谷八重子さんと波乃久里子さんのトークを拝聴しました。聞き手の児玉竜一さんも(当然ながら)プロフェッショナルで、大変刺激的で勉強になる時間でした。ありがとうございました!

 新派1月公演↓『「明日の幸福」「神田祭」』のチケットはゲット済み!2月の『八つ墓村』も行く!

≪概要≫ http://www.waseda.jp/enpaku/ex/9684/
初代喜多村緑郎、花柳章太郎亡き後、昭和の新派を支え続けた女優、初代水谷八重子。2019年はその没後40年にあたります。また、2020年1月の初春新派公演では、初代八重子が自ら選んだ演目〈八重子十種〉の内『明日の幸福』(中野實作)が上演される予定です。初代八重子の薫陶を受けた二代目水谷八重子さんと波乃久里子さんのお二人に、貴重な館蔵品や映像をご覧いただきながら、初代水谷八重子の芸や思い出について語っていただきます。
≪ここまで≫

 『婦系図』『滝の白糸』『海神別荘』『日本橋』『華国青洲の妻』『ふるあめりかに袖はぬらさじ』『夜の蝶』『鹿鳴館』、そして来年上演の『明日の幸福』などについて、過去の舞台写真とともに紹介(戯曲は順不同)。裏話がたっぷり。女形と女優の違いは興味深いですね。「女形は(所作などで)女役をつくっていくが、女優はもともと女性なので、“こらえる”演技がいい」など。

 初代水谷八重子さんのご著書↓ですが、二代目によると聞き書きとのこと(「だから読んでいない」とも・笑)。

ふゆばら (1955年)
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 初代は幼少時に女優になることを運命づけられ、他の道を選べなかったとのこと。「美しいことがかわいそうだった(顔ばかり注目され実力が評価されなかった)」という発言も。波野さん曰く「初代は品があり、格もあり、美しくて演技も巧い。皇族(貴族)のようだった。こんな女優はもう日本では生まれないと思う」。初代に「他人(私)の真似をするな」と言われたが、何もかも真似していたという波野さん(さすが!)。初代と杉村春子さんが共演した時の逸話。稽古期間が1週間しかなく、初日の杉村さんはボロボロだった。でも初代は「1週間待ちなさい」と。1週間後、杉村さんは完璧だったそうな。オーラル・ヒストリー(口述歴史)の重要性を実感しました。

登壇者:二代目水谷八重子 × 波乃久里子
聞き手:児玉竜一
展示物紹介:後藤隆基
日時:2019.12.16(月)15:00 – 17:00(14:30開場)
会場:早稲田大学小野記念講堂
参加無料 ※要事前予約・定員を超える場合は抽選
主催:早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
http://www.waseda.jp/enpaku/ex/9684/
https://twitter.com/waseda_ENPAKU/status/1191890504046305281

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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