温泉ドラゴン『五稜郭残党伝』12/11-12/19サンモールスタジオ

 佐々木譲さんの小説をシライケイタさんが舞台化。

五稜郭残党伝 (集英社文庫)
佐々木 譲
集英社
売り上げランキング: 247,860

 

≪あらすじ≫ amazonの商品詳細より
戊辰戦争もあと二日を残し、五稜郭で幕を閉じようとしていた。「降伏はせぬ。」と、陥落前夜、自由を求めて脱出した旧幕府軍の凄腕狙撃兵、蘇武と名木野。逃げのびる二人は、アイヌの土地を蹂躪する新政府の画策を知り義憤に燃えた。だがその背後に迫る、新政府軍残党狩り部隊の足音。酷薄で執拗な追撃戦が開始された…。広大な北海道を血にそめて追われる者と追う者が、男の誇りを賭けて戦う冒険小説。
≪あらすじ≫

 ここからネタバレします。

 残党が通った村に追っ手がやってきて、かくまった人々もろとも、村が焼かれてしまう…ということが繰り返されました。平穏に暮らしている集落に、明確な敵を持つ暴力団が入り込んで平和が破壊されてしまうのは、実存した村が舞台の『イスマイルとイサベル』と同じですね。

 残党のひとりである蘇武(いわいのふ健)の遺書を読み上げるアイヌ人女性(サヘル・ローズ)が、さめざめと泣くのではなく怒りに震えて叫ぶのがよかったです。これから闘いが始まると暗示して終幕。

 つい先日見た映画「デイアンドナイト」を思い出しました。【以下、映画のネタバレあり】孤児院経営のために犯罪を犯す人々が登場します。善行のためなら多少の犠牲は必要だという考えは、やがて自身の破滅を招くのですが、最終的には1人の女子高生を救うという幕切れでした(彼女は棚から牡丹餅的に4000万円もの大金を得るので、東京で幸せになれるのかどうかわかりませんが)。

映画『デイアンドナイト』DVD通常版
SDP (2019-12-13)
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第14回公演
出演:阪本篤、筑波竜一、いわいのふ健(以上温泉ドラゴン) 植吉、宮崎恵治(黒テント)、五十嵐明(青年座)、佐藤銀平(サスペンデッズ)、斉藤健(椿組)、吉田裕貴、近藤修大、大塚航二朗(無名塾)、森永友基(劇団俳優座)、山口祥平、遊佐明史(演劇塾 SCARACROWS・LEG)、サヘル・ローズ
原作=佐々木譲『五稜郭残党伝』
脚本・演出:シライケイタ
舞台監督=青木規雄(箱馬研究所)
照明=奥田賢太(colore)
音響=佐久間修一(POCO)
美術=松村あや
衣裳=竹内陽子
演出助手=小形知巳
殺陣=渥美博
宣伝美術・広報=村井夕(windage.)
制作=水戸亜祐美、植松侑子(syuz’gen)
助成=公益財団法人セゾン文化財団
主催・製作=温泉ドラゴン
【発売日】2019/10/26
《全席自由席・税込》
一般=4,500円
U25=3,500円
高校生以下=1,000円
https://www.onsendragon.com/next2
https://stage.corich.jp/stage/104691

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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