多摩ニュータウン×演劇プロジェクト『まちまち』08/11パルテノン多摩小ホール

 瀬戸山美咲さんが進行役・脚本・演出をつとめる市民創作劇を観に、パルテノン多摩に行きました。知人も数人出演していたのです。上演時間は約1時間55分だったかと。終演後にポスト・パフォーマンス・トークあり。

ワークショップ&発表会】パルテノン多摩「多摩ニュータウン×演劇プロジェクト第二弾『まちまち』出演者&市民スタッフ募集(講師:瀬戸山美咲)」※05/20〆切(専用フォームあり)

≪瀬戸山さんからのコメント≫ https://www.parthenon.or.jp/act/3552.html
多摩ニュータウンのイメージって何?
子育てがしやすい街? 高齢化が進む街?
実は同じ多摩ニュータウンでも、地域によって歴史も色合いも異なります。
多摩ニュータウン×演劇プロジェクト第二弾『まちまち』では、
ひとつひとつの「まち」を歩き、暮らす人々の声を集めて、みんなで演劇をつくります。
≪ここまで≫

 第一弾『たまたま』は市民参加者のワークショップを経て、瀬戸山美咲さんが脚本・演出をする作品に、プロの俳優が出演したそうです。第二弾の『まちまち』は、参加者自身が創作・出演する短編演劇のオムニバスでした。

 1日だけの発表会には12時と16時の部があり、私は16時の部を拝見。出演者がのびのびと楽しそうにされていました。街歩きをふまえたエピソードや参加者の体験談など、ほぼドキュメンタリーと言っていいのではないでしょうか。多摩ニュータウンの誕生から開発終了まで、さらには近未来を描いた短編もありました。

 瀬戸山さんは人間一人ひとりを大切にしているなぁと思いました。終演後のトークでさらにそう感じましたね。参加者を慎重に観察して、協働をつぶさに見守って、最終的に(心を鬼にして)取捨選択、構成を担当し、演劇作品へと仕上げる…。腕があって度量広い演劇人だと思いました。

 ここからネタバレします。

 多摩ニュータウンのご当地ネタが満載で、地元のお客様にはこたえられない楽しさだろうと思いました。長いセリフを覚えていらっしゃる方が多くて驚きました!すごい!

 オリジナル楽曲を全員で歌って踊ったり、凝った衣装と小道具があったり、舞台装置として小さな団地が並んでいたり(団地を並べると台やテーブルになる)。主に一般人が出演する演劇ですが、ファシリテーターの演劇関係者が7人も助演しています。私が3月に出演した世田谷パブリックシアター『地域の物語』とはちょっと違った豪華さがありました。そういえばチケット代2000円でしたね。

 「私の大切なもの」を披露する独白コーナーがあり、本気の、心のこもった言葉を聴くことができました。ごくごく私的なことを座組内だけでなく、観客にもシェアしてくださったんです。発表会っていいですね…!

 ポスト・パフォーマンス・トークでは参加者の感想が聞けました。70代の女性が「イエス・アンド」という演劇の手法のおかげで、夫婦の仲が落ち着いているとおっしゃっていました。「まず人の意見を聴くこと」。それが円滑なコミュニケーションの決め手のひとつなんでしょうね。私も真似しよう。

 稽古は6月から8月にかけての土日に行われ、本番を除くと計15日間。参加者は12歳から70代までと年齢層が幅広く、特に高齢者が多かったそうです。世代間の差について1時間ほど話し合う機会も設けたとか。演劇をつかって数十名もの方々が交流できたのは、とっても素敵なことですね。自分が暮らす街、地域、そこでともに暮らす人々に興味が持てるだけでも、日々の生活に張りが生まれるのではないでしょうか。

[出演]
アキ、浅井要美、井上一良、岩波輝代子、王申冉、奥山樹生、影山忠雄、
木下桃伽、久原詢、さかもとじゅん♪、佐野美星、塩谷敬、清水一滴、
杉本一剛、須山剛、タカオ、タカハシ ミク、NOBU、はるみ、増尾裕美、
宮崎太一、望月正人、山田紗友美、陽介、吉田史織、Ryuichi

※ファシリテーター・出演
石田迪子、小角まや、小林あや、野坂弘、廣川真菜美、前原麻希、ワタナベミノリ

[市民スタッフ]
石川佳代、荻山恭規、川島信義、川鍋早紀菜、小池和子、木幡東子、志田武士、
末永明彦、田原裕也、fine、flawy(ふらー)、三島麻砂美、南ゆり、三宅弘朗、
吉本知花

【進行役・脚本・演出】瀬戸山美咲(劇作家・演出家・ミナモザ主宰)
音楽:吉田能  美術:土岐研一  照明:上川真由美  音響:泉田雄太 舞台監督:鳥養友美 演出部:松岡大 振付:野坂弘 チラシイラスト:makomo チラシデザイン:土谷彩絵子(株式会社ツグミ) 制作協力:小野塚央 加藤夏帆 手話通訳:山咲みのり 市川節子 映像:荻山恭規 字幕:末永朋彦 川鍋早紀菜
主催:公益財団法人多摩市文化振興財団

アテナ1,500円 <6/23(日)発売>
一般2,000円 <6/29(土)発売>
学生1,500円
[全席指定] ※未就学児入場不可
https://www.parthenon.or.jp/act/3552.html
http://tamatamatama2017.hatenablog.com/
https://natalie.mu/stage/news/340381

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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