東京芸術劇場/兵庫県立芸術文化センター『Le Pere 父』02/02-02/24東京芸術劇場シアターイースト

※このレビューは2019/12/31に公開しました。

≪あらすじ≫ 公式サイトより
ある父を巡る悲しい喜劇(コメディ) ― 誰にとっても身近な話 ―

若い看護師が泣きながら彼女に電話をしてきたため、父に何らかの異変を感じ、行くはずだった旅行を急きょ取りやめてやって来たのだった。アンドレは看護師を自分の腕時計を盗んだと悪党呼ばわりし、自分は1人でやっていけるから看護師の助けなど必要ないと言いはる。しかし、アンヌに指摘されると、その腕時計はいつもの秘密の場所に隠してあった。なぜアンドレは誰も知らないはずの自分の隠し場所を知っているのか……。

今自分が居るのは、長年住んだ自分のアパルトマンなのか? この女や男は誰なのか? 何が真実で何が幻想なのか? 

自分自身の信じる記憶と現実との乖離に困惑する父と、父の変化に戸惑う娘。驚くほど無防備な愛の残酷さと忍耐の限界をユーモラスに描いた本作は、現代版『リア王』とも呼ばれ、記憶や時間が混迷していく父の視点で観客が物語を体験していく、という斬新な手法で描かれた哀しい喜劇(コメディ)。
≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 装置が少しずつ変わっていく。上手のキッチンが上手袖に縮み、カーテンが無くなってダイニングテーブルと椅子がしまわれ、大きな額がかかる壁も消える。白い可動式チェストが現れ、テーブルの代わりに病院のベッドが登場する。照明の明滅のさじ加減が素晴らしい。

 自分の家、アンヌの家、そして病院に移った父は、ついには自分の名前もわからなくなる。「お母さんに会いたい、迎えにきてもらって、家に帰る!」と叫ぶ。

 父は、事故で死んだもう1人の娘エリーズの方がアンヌよりお気に入り。「妹に会いたい」という思いで父とアンヌが繋がる場面で泣いた。

≪東京都、兵庫県、長野県、高知県、愛知県、長野県≫
出演:橋爪功、若村麻由美、壮一帆、太田緑ロランス、吉見一豊、今井朋彦
脚本:フロリアン・ゼレール
演出:ラディスラス・ショラー
翻訳:齋藤敦子
美術:エマニュエル・ロワ
照明:服部基
音響:井上正弘
衣裳:堀井香苗
ヘアメイク:中原雅子
通訳:加藤リツ子
演出助手:城田美樹
舞台監督:瀧原寿子
宣伝美術:triple-O
宣伝写真:永石勝(triple-O)
宣伝写真衣装:堀井香苗
宣伝写真ヘアメイク:保坂ユミ 大矢朋美 池田ユリ(eclat)
東京公演広報:ディップス・プラネット
衣装協力:EUROPEAN▲CULTURE/STOCKMAN
制作:藤野和美
アーティスティック・コラボレーター:三原英二
企画:東京芸術劇場
共同製作:東京芸術劇場 兵庫県立芸術文化センター
エグゼクティブプロデューサー:高萩宏
プロデューサー:栗原喜美子 古田佳代
【発売日】2018/09/09
全席指定・税込
一般:7,000円
65歳以上:6,000円
25歳以下:3,000円
高校生以下:1,000円
http://www.geigeki.jp/performance/theater186/
https://stage.corich.jp/stage/96850

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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