劇団朋友『残の島(のこのしま)~伊藤野枝と代準介、そしてルイズ~』10/25-28俳優座劇場

 シリアルナンバー(元・風琴工房)の詩森ろばさんが劇団朋友に新作を書き下ろし、文学座の西川信廣さんが演出されます。原作は矢野寛治著『伊藤野枝と代準介』(弦書房刊)。上演時間は約2時間40分、途中休憩15分を含む。

伊藤野枝と代準介
伊藤野枝と代準介

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矢野 寛治
弦書房
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 伊藤野枝という歴史上の人物は、演劇だと、宮本研の名作戯曲『美しきものの伝説』でおなじみですよね。野枝を演じた辻村優子さんが素晴らしかった!

≪あらすじ≫ 公式サイトより
野垂れ死ぬくらい自由に生きる。

野性と知性を併せ持ち、自由の時代大正を、
誰より自由に生き、駆け抜けた。
彼女の名は伊藤野枝。
これは、真の女性解放とはなにかを
希求しつづけたひとりの女と、
それを物心両面で支えた叔父、代 準介、
そして、
残された父母の思いを生き始めようとする
娘ルイズの知られざる物語。
≪ここまで≫

 野枝の娘ルイズが記者の取材を受け、亡き両親とのつながりを言葉にしていきます。1980年代と1910~20年代を行き来する構成でした。

 知的な女性アナーキスト(無政府主義者)である野枝は、自己中心的で野心と高い志のある行動派。それでいて、可愛いげもあって奔放でモテるという、とんでもなく魅力的な人物です。辻村優子さんはクルクルと多彩に変化しつつ、芯がブレないので人物像に真実味があります。一語一語を大切に発語してくれるので、セリフの意味も明瞭。行動の根拠となる意志、場面の目的が定まっているからでもあるでしょう。彼女がいると舞台に奥行きと広がりが出て、説得力のある重みと弾む空気も生まれました。着物の所作も自在で安定感がありました。

 野枝の母・ムメ役の益海愛子さんと、女中の菊江役の老川礼菜さんもとても良かったです。

 ここからネタバレします。

 野枝は10年の間に7人の子供を産んだとのこと。日本人のこのバイタリティーはどこにいったのかな…。

 場面と場面のつなぎ目は暗転し、家具移動や、次の場面に登場する俳優がスタンバイする時間になっていました。暗転せずに場面転換してもらいたかったな~。

劇団朋友第51回公演
【出演】
伊藤野枝:辻村優子
代 準介:進藤忠
頭山 満:小島敏彦
代 キチ:西海真理
代 千代子:黒田玲子
辻 潤:本田玲央
大杉 栄:野田裕
平川菊江(女中):老川礼菜
池田スズ(女中):船場未生
柴田勝三郎:相馬聡廣
伊藤ムメ(野枝の母):益海愛子
小室哲司:渡辺聖
村木源次郎:竹本風太
津村和夫:小泉真義
伊藤ルイズ:木野しのぶ
松田和江(新聞記者):細田知栄子

矢野寛治著『伊藤野枝と代準介』(弦書房刊)より
脚本:詩森ろば(シリアルナンバー)
演出:西川信廣(文学座)
美術:二村周作
音楽:上田亨
照明:塚本悟
音響:中嶋直勝
衣裳:中村洋一
舞台監督:道場禎一
制作:夏川正一
企画:小嶋敏彦
企画製作:劇団朋友
宣伝美術:詩森ろば
【発売日】2018/09/03
一般当日 5,500円  
一般前売 5,000円
初日割引 4,500円   
学生/U25 3,000円
http://www.gekidanforyou.com/koen/nokonoshima/main.htm
https://stage.corich.jp/stage/94977

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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