風琴工房「『ちゅらと修羅』プレイベント「標的の村」上映と取材報告トークライブ」11/21 live space anima

 詩森ろばさんが作・演出される風琴工房が12月公演『ちゅらと修羅』のプレイベントとして、ドキュメンタリー映画「標的の村」の上映会を開催されました。上映時間は約1時間30分。上映後には、詩森さんと『ちゅらと修羅』出演者による沖縄取材報告がありました。

 出演(というか登場)していた三上智恵監督の「戦場ぬ止み(いくさばぬ・とぅどぅみ)」をDVDで拝見していたこともあり、「標的の村」はずっと観たいと思っていた映画です。ようやく叶いました。

戦場ぬ止み (いくさばぬ とぅどぅみ) [DVD]
紀伊國屋書店 (2017-03-25)
売り上げランキング: 19,893

 
 怒りで体がこわばり、どうしても涙が出てしまうのですが、詩森さんがトークでおっしゃったとおり、悲壮感や絶望ばかりじゃないんですね。沖縄のジャーナリズムは信用に足る、尊敬できるものだと思いました。

 12/7開幕の『ちゅらと修羅』は11/30までこりっち↓でチケプレ実施中ですよ~!

 ここからネタバレします。

 この映画は琉球朝日放送が製作しているんですね。映画の中での記者の発言と行動に感動します。戦後の歴史の中で、沖縄の反対運動を受けて政府が方針を転換することもあった…ように見えていましたが、実は1996年の予定通りに米軍基地建設が進んでいる…という分析に衝撃を受けました。

 『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』に続いて読んだ、矢口宏治さんの本『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』に詳しく書かれている、米軍との密約を、広く知ってもらう必要があると思います。

知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書)
講談社 (2017-08-17)
売り上げランキング: 230

 

≪取材報告トークライブ≫ ※私がメモした程度です。

 詩森:1970年代の沖縄(海洋博のころ)に着目し、安里清信(あさと・せいしん)さんについて書こうと思っていたが、今の辺野古、高江について書かないと意味がない気がした。今も琉球王国返還のころから変わっていない。

 詩森:高江の人たちは2007年から座り込みを含む運動を始めたが、2012年にヘリパッドが出来てオスプレイが飛来するようになってしまった。前回の参議院選(2016年)で沖縄では基地反対の議員が勝ったのだけれど、本土では自民党が大勝利。選挙後すぐに政府は500人の機動隊を高江に送り、集落を取り囲むようにヘリパッドを複数、強行に作ってしまった。
 
 田島亮:詩森さんの二度目の取材に同行しました。9日間ぐらい。
 中野英樹:ブロッコリーハウスのことを知り、泊まりたくなったので、僕は後から井上裕朗くんと行った。
 詩森:高江には泊まるところがなく、夜は都会の宿に戻らないといけなかったけれど、今はブロッコリーハウスに泊まれます。宿代は500円。

 詩森:沖縄はジャーナリズム先進国。都市部の方が情報から閉鎖されている。
 田島:沖縄では生活者が政治の言葉を持ち、人間の尊厳と向き合っている。東京に住む若者である僕が、これから自分の人生をデザインするにあたり、見習いたい。
 詩森:こういう風に生きたいと思うよね。運動の継続は哲学。

 林田:自分たちの生活と自然を守りたいだけじゃなく、平和を守りたいという気持ちがある。戦争に反対する活動の一つだということ。それが座り込みをやっている理由。自分はそうとは知らなくて、恥ずかしかった。

 林田:(基地の周囲は)映像で知っていたつもりでも、生で見ると異様さがわかる。
 詩森:(都市部に暮らす)私たちがいつ、ああいう風に囲まれるかわからないのが現状。

 詩森:「原爆の図」で有名な丸木位里さんと丸木俊さんが「沖縄戦の図」を描いた。沖縄に展示したいという二人の意志を受け、沖縄の佐喜眞美術館に展示されている。佐喜眞さんはいわゆる軍用地主。普天間基地がある場所に土地を持っていて、返還後は地代をもらえるようになった。そのお金を生活費ではなく美術品収集に充て、「沖縄戦の図」を展示するために美術館を建てた。他の展示品も素晴らしいので沖縄に行かれた際はぜひ。

 田島:佐喜眞美術館は普天間基地のすぐそばにある(米国に普天間基地内の自分の土地を返してもらって、そこに美術館を建てたから)。佐喜眞さんに「安倍政権が煽っている北朝鮮危機は本当だと思いますか?」と聞かれた。佐喜眞さんがおっしゃるには、本当にイマージェンシー(危機)ならば戦闘機の離発着が膨大になるが、今は静か。だから選挙のための嘘だとのこと。

登壇者:詩森ろば、田島亮、中野英樹、林田麻里
1500円
http://windyharp.org/hyoteki.html

~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台

   

バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ