SPAC・静岡県舞台芸術センター『舞台は夢』09/23-10/11静岡芸術劇場

舞台は夢
舞台は夢

 SPAC・静岡県舞台芸術センターの新作を拝見。フランスの古典戯曲『舞台は夢』(ピエール・コルネイユ作)をフランス人演出家のフレデリック・フィスバックさんが演出されます。私は2008年に新国立劇場で拝見しています。

 SPACのフィスバック作品というと『令嬢ジュリー』。静岡公演の後でジュリエット・ビノシュ主演でアヴィニョン、パリでも上演されたそうです。

 一般向けの土日公演に伺えなかったので、平日の中高生鑑賞事業に伺いました(一般発売もしてました)。上演時間は前説、後説込みで約2時間25分(休憩なし)。

 終演後に制作さんが客席の中高生に向かって「もし皆さんが、舞台のお仕事をしたいと思ったら、静岡には県立劇団があるということを覚えておいてください」とおっしゃいました。何度か耳にしてるんですが、胸が熱くなりますね。※今日は中学生はいなかったようです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『舞台は夢

≪あらすじ≫ 公式サイトより
パパもびっくり!放蕩息子が略奪愛?
行方不明の息子の消息をつかむため、父親プリダマンは洞窟に棲む魔術師のもとを訪ねる。魔術師は息子の幻影を浮かびあがらせ、父親は次々と息子の身に起こる奇想天外な出来事をまるで「観客」のように目撃する。波瀾万丈な息子の人生は非業の最期で幕を閉じた・・・はずだったが、そこには思いも寄らない秘密が隠されていた。
≪ここまで≫

 あらすじは昔のレビューに詳しいです。

 ほぼ何もない空間で、使われるのは平台と白い幕と小道具程度。機構も含め、劇場そのものを見せる意図があるようです。

 終演後のゲストは俳優の大高浩一さんと演出部の女性でした。大高さんがご自身の結婚話(結婚を親に邪魔される実例)を披露されて、思いっきり笑ってしまいました(すみません!)。

 ここからネタバレします。

 逃亡から2年後、息子クランドールとその妻イザベル、小間使いとその夫は裕福になって幸せに暮らしており…という一連の不倫劇は、実は息子たちが結成した劇団の演目だったとわかります。そこで「演劇は素晴らしい、俳優は立派な仕事だ」と父親が言い出して、客電がついた客席に向かって堂々と演劇を賛美します。ちょっとこそばゆい、恥ずかしいような気持ちになりました。きっとこういうのもひっくり返してくれるんだろう(新国立劇場版のように)と思ったんですが、そのままストレートに終演。

 後で関係者に聞いたところ、この作品が初演されたのはバロック時代で、庶民しか観なかった演劇を王侯貴族も観るようになっていく時期だったそうです(ルネッサンス→バロック→新古典主義)。演劇の作り手が王侯貴族に「演劇はいいものなんですよ!」とアピールする意味もあったんですね。ある意味、時事的なお芝居ということです。

SPAC秋→春のシーズン#1  Autumn→Spring Season #1
出演:阿部一徳、大高浩一、加藤幸夫、小長谷勝彦、桜内結う、大道無門優也、武石守正、寺内亜矢子、野口俊丞、本多麻紀、牧山祐大、渡辺敬彦、ブノワ・レジヨ
演出:フレデリック・フィスバック
作:ピエール・コルネイユ
台本: 久保田梓美
演出助手: ブノワ・レジヨ
舞台監督: 山田貴大
演出部: 降矢一美、守山真利恵 
美術製作: 佐藤洋輔、渡部宏規 
照明デザイン: 大石真一郎 (KAAT神奈川芸術劇場)
照明操作: 神谷怜奈 
音響: 山﨑智美 
衣裳: 駒井友美子
衣裳協力: コメディ=フランセーズ 
技術監督: 村松厚志
制作: 佐伯風土、塚本広俊 
通訳: 石川裕美 
宣伝美術: 坂本陽一 (mots)
製作: SPAC 静岡県舞台芸術センター
支援: 平成27年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 ふじのくに芸術祭共催事業
SPACの会会員先行予約受付開始:8月2日(日)10:00
一般前売り開始:8月9日(日)10:00
SPACの会 3,400円  ペア割引: 3,200円 (2名様で1枚につき)
一般: 4,100円
ペア割引: 3,600円 (2名様で1枚につき)
グループ割引: 3,200円 (3名様以上で1枚につき)
 ※10名様以上の場合は電話・窓口にてお取り扱い
ゆうゆう割引: 3,400円 (満60歳以上の方)
 ※公演当日、受付にて身分証をご提示ください。
学生割引: [大学生・専門学校生]2,000円 [高校生以下]1,000円
 ※公演当日、受付にて学生証をご提示ください。
障がい者割引: 2,800円  [障害者手帳をお持ちの方]
 ※公演当日、受付にて障害者手帳をご提示ください。
 ※付添の方(1名様)は無料 ※電話・窓口のみのお取り扱い
※各種割引の併用はできません。
※乳幼児の会場へのご入場はご遠慮ください。
http://spac.or.jp/illusion_2015.html

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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